選挙とMMO 前編:選挙
大事な事はだいたいネットゲームで学んだ。
最大手戦略に成功した最強ギルド最強クランがある。
それに挑む立場ならどうするか。
あと、中選挙区制と小選挙区比例代表並立制。
こちらから説明しとこうか。
日本では1996年以降より、小選挙区比例代表並立制になった。だいたい2:1で並立している。
それ以前は中選挙区制。
中選挙区制は、分類上は複数当選者が出る方式、つまり大選挙区制の一部。
より正確にいうと、単記非移譲式大選挙区制。
死票が出るタイプの大選挙区制。
移譲式になると、大トップとかが死票にならないが煩雑で……
中選挙区制は、都道府県で3〜5人の選挙区をいくつか出した方式。例外で2人区6人区もある。
さらにそれ以前には、第7回が大選挙区制で1人区〜10人区。1〜6回は小選挙区制(原則1人区一部2人区で第一回は、1人区214+2人区43)300議席。
中選挙区制の狙いは、単独政党が出ないようにする制度。矮小政党が出ないようにする制度。
これは、選挙をどのようにするかを決めた時に、複数の政党で政治をしよう、とした訳だ。
言ってもまだまだ衆議院が下院だった時代。
第一回は税金15円を収めている男子で選挙権は、人口の約0.35〜2.3%、1890年7月1日。
なお、第一回当選者のうち2名は、逮捕されてて会期中一度も議会に参加できなかったとか。
調べる程に面白い。
選挙は、ゲーム理論でほぼ明確に戦略がある。
これはどんな選挙方式にしても避けられない。
中選挙区制での勝ち方は、うまく二、三人当選させる事。
負け方は、共倒れになること。
例として、4人区で政党abcが、得票率順に
a40% b18% b12% c10% a7%落 c5%…
とかがある。
同じ得票率で3人区だったら、c10%は落ちる。
同じ党の候補者同士での戦いがあったり、票の調整のために金権政治になったり、との話があった。あったらしい。
勝つ戦略は、敵対する陣営に1議席しか取らせないこと。
選挙後に当選者を勧誘すること。
基本的に相手を落とす戦術がとりにくい。
対して小選挙区での戦い方。
1位をとる。相手に取らせない。シンプル。
強いモノが勝つ。勝った方が強い。
蹴落とすもあり。
負け方は、複数候補を出す。勝てない候補者を出す。
ここでちょっとトリックがある。
例えば3人での政策討論で、きちんと持論を展開して、他の候補者に差が無いように演出できたら、それは他の候補者の票を割ったことになる。
逆も言おう。片手落ちになるからね。
どの選挙区も二人しか候補者がいない。
必ず一騎打ち。
私が選挙対策委員なら、一騎打ちにしたいところ。
ほぼとれる、とられる大駒のいるところでは大駒の票を割る意味はない。
大駒にぶつけるのは、アンチテーゼの一本釣り。
逆に相手が大駒でなければ、こちらの票を割ってやる必要はない。
つまりは、どちらにしろ自分達の票を割れないようにする。
おっと、言い忘れていた。
今回の選挙の目標が、たぶん違う。
最大手に取って代わって首相や内閣を奪うのが目的ではない。
それは達成可能なゴールではないからだ。
今回の目標は、その前段階(倒せる政党になる)の前段階(今までの実績を周知して、政策のベースになっている、「誰に得してもらうための政党なのか」を告知する事)。
確実に首相になるには、政権与党で過半数をとる。
それを最大手になさせないためだ。
まずは与党の過半数割れ。
倒せない最大手に、傷がつけばいい。
どうせ無所属を組み込んで、与党はとられる。
過半数割れにするために、最低限、ゲーム理論で土俵に立つことが必要。
与党になりたい。
そのために、二大政党制にする。
そのために、同じ区から出る無所属候補者を、自民党の政治家の票を割るような戦い方をする。
そのために、自党と他党の理念や方針を徹底的に勉強する。
ここだと思う。
今はまだ、一足飛びに政権与党になる!を掲げるべきではない。
いや掲げるべきだが実現可能とは考えてはいないだろう。
最も、与党になれたらこうするアレするの提起は当然の準備ではあるが。
党方針、党主張なくしては戦えないからね。
前述した中選挙区制では、野党が複数候補者を出すのは非常に有効。
でも小選挙区比例代表並立制では、野党で複数候補者を出すのは、野党を支持してくれる有権者に対して、「手を抜いてます」宣言なのよな。
これはもう、小選挙区になっちゃったからにはしょうがない。
前回まではそうだった。
マウントを取り合って、ようやく二大政党制になったのが今回の選挙。
やっと選挙が面白くなったとも言う。
なお復活当選劇を見たいなら、区から1/10の得票さえあればいい。
名簿順での復活ができる。
ミニマムな部分では、議員が大手に所属している最大の理由は、安定感だ。
次回も当選できる。だから所属する。
そして、挑む立場であれば「奪える」実績が大事なのだ。
挑む気がない2位以下の集団には、最低でも維持するだけの実力が必要なのだが、だいたいは衰退していく。
まあ連合して巨大な2位集団になっていく事が多い。
今ここかな。
今回の見所のヒトツが、私の区から出る候補者が、当選するだけの目的(現状維持)なのか、なんか主張する意見を持っているか、かな。
そんな事を考えていたら、自民党は面白い手を打ってきた。
高市さんの総裁選立候補。
もしも総裁になったら、とても戦いにくい。
女性首相を見てみたいと思わないか?
そんな興味本位で戦えちゃうんだぜ?
怖いなぁ。
なお高市さんの主義主張は、私的には論外。
安倍路線、つまり、経済を株価と成長率でしか見えていない。
救うべきは経世済民であって、経済数値を救うのではないので。
憲法改正。
どうでもいい。
本当に皆が必要だと思う改正なら、野党だって賛成する改正案もってこい、ってだけでしょ。
まあ、見所を選挙自体からそらして、楽しい総裁選にして来たあたり、自民党の選対委すげーな、って思う。
つい見ちゃってる時点で私の負けだ。
ちょっと戻る。
今の野党の中で、選挙がゲームだと一番理解しているのはNHK党。
たちが悪いというかなんというか。
比例代表並立制の利点を享受している。
主張はポピュリズム。
ベーシックインカムとか、正直いって無思想だからこそよく反映されているというか。
せめて2位の政党には、そのレベルまで選挙の事をゲーム的に勝ちにいかないと、能力不足だと思う。
今回なら、
女性首相を応援するには優秀な女性議員が必要だ!
女性や弱者の立場にたった政策を提言してきた!
総裁選の土台を自民党以上に利用していく、そしてその事を政策に反映していく、そんな未来がみたい。
なお私は、自民党の政治家が嫌いなのではなくて、物価上昇と戦争が嫌い。
できるだけ嫌いな未来を遠ざけたい。
こないかなぁ。明るい未来。