陽の光 過ぎゆく季節 夏の影
――夏。
草薙は清川の大岩に背を預けていた。
満身創痍、そういっていい状態だ。
(少し無理し過ぎたか)
限界が近い、負荷が高まっている。
(うむ……)
割りと死にかけなのだが、それはそれとして草薙は空を見た。
陽射しが眩しい。
(そうか、今日は)
世間では夏の区切りともいえる日である事を、草薙は思い出した。
(休むか)
川のせせらぎ、夏の陽射し。
透明な水が流れる。
陽の光
過ぎゆく季節
夏の影
そらんじる。
草薙は空に目を向ける。
眩しい太陽が輝く。
過ぎ行く夏の日。
(回復には……少し時間がかかるな)
過ぎ行く夏のある日、一人過ごす。
(それもまた良し)
過ぎ行く夏の太陽に照らされ、草薙はゆっくり目を閉じた。