5.新しい生き方の発見
そこで、先生は人類の歴史をもっとさかのぼって研究していきましたが、その結果、従来の道徳の欠点を補った、質の高い生き方が存在していることを発見しました。
先生は二千数百年前の中国で人の生き方を説いた孔子に注目しました。孔子の生き方は後の世に大きな影響を与えて東洋文明の源の一つとなっただけでなく、孔子の子孫が現在でも残っており尊敬を集めています。
また、孔子と同様に子孫が尊敬されて残っているということで日本の御皇室にも注目しました。
世界各国の王室の家系は途中で途切れているのに、日本の御皇室の家系が二千年以上も続いているということは、自然法則に従った生き方が関係しているのではないかと考えて研究の対象にしたのです。
同じく二千数百年前にインドで人間の生き方を説いた釈尊の教えは今日まで残り東洋文明の源の一つとなっていますし、やはり二千数百年前にギリシアで活躍したソクラテスの教えは哲学として発達して今日の科学文明につながっていることから、その二人の生き方にも同様に注目しました。
また、約二千年前にユダヤで活動したイエスは、神の子といわれるまでの信仰を呼び起こして今日の世界に大きな影響を与えていることから研究の対象としました。
先生は、人類史上、たくさんの偉人や智者が存在したはずなのに、これらの少数の人間が尊敬を集めて、人類の幸福に大きな影響を与えることが出来たのは、偶然などではなくて、「自然法則に完全に一致した生き方」をした結果、大自然の力で守られたのだと考えたのです。
孔子、釈尊、ソクラテス、イエスは、歴史的に人類に与えた影響の大きさから、今日では「人類の教師」と呼ばれている人たちですが、先生は、これらの人たちを「聖人」と呼んでいます。
そして、聖人や御皇室の祖先の生き方を研究して、それを当時の科学的な研究や歴史的な事実、さらには自分自身の体験や他者を指導した結果で確かめたものを新しい生き方として示して、私たちを幸福に導こうとしたのです。