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32.よみがえる先生の心

 先生が苦しくても休むことなく、付き添いの人に起こしてもらいながら、亡くなられる直前まで筆を離さずに書き続けたのは、大自然の心、聖人の心を自分の中に再現して、それを私たちに示すためでした。


 自分の命をたいまつにして燃やすように、私たちの行く道を照らそうとしたのが先生です。


 先生は、なぜ、そこまでの苦労をされたのでしょうか。


 先生は私たちを愛し、私たちの成長と幸福を願い、そのためには自分はどんな苦労をしてもかまわないという、聖人の心、大自然の心、そのままの人になっていたからだと思います。


 先生は、次のような意味のうたを亡くなる前に残しています。



 ずっと ずーっと  いつまでも


 わたしは ここに  生きていて


 祈り続けて いるのです


 聖人たちが 従った


 天が授けた 御教えを


 あなたも 守り  新しく


 自然の心 持つ人に


 生まれかわって 幸せに


 暮らし続けて いくことを


 

 先生が生き続けている「ここ」とは、先生からの手紙を読んで、先生の心に触れた私たちの心の中ではないでしょうか。


 今日の社会では、聖人の教えを実行するのは苦しくて、損になると思われたために、人間にとって都合のいいように変えられた自己中心的な生き方が広まっています。


 私自身も聖人や先生が遠くで輝いているのを見て、自分にも簡単に実行できるように教えを変えてほしいという自分本位な気持ちも湧いてきます。


 しかし、幸福が北に行くことであるとすれば、目印となる北極星は絶対に動いてはいけません。


 もし、動けば、大切な生き方の標準が失われてしまいます。


 私たちに幸せになってほしいからこそ、自然法則は曲げられないのです。


 曲げられないからこそ、私たちのために、大自然の心も、聖人も、先生も、どうか、実行をしてほしいと祈らざるを得ません。


 その大きな愛の心に対して、感激し、反省し、決意し、私たちは実行に向かっていきます。


 そして、そのような取り組みをしていくことで、新しい生き方の実行はすぐにはできなくとも、語り掛けた回数の分だけ、先生の心は私たちの心のうちに生き生きと生命をもって実在するようになります。


 そして、私たちは、その先生の心にまたお詫びして、誓い、力を借りる気持ちになって実行に向かっていくのです。その意味で先生の心は「ここ」に生きているのです。


 聖人の研究から生まれた、先生の新しい人間学は、今日の私たちも学ぶことの出来る学問として残りましたが、それと同時に大自然の心、聖人の心、そして先生の心が、実践のために「標準」として、今もここに生きているのです。


 以上が、私が読んだ、先生からの「時を越えた手紙」の内容です。

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