プロローグ
気づいたら俺は知らない場所にいた。
さっきまで俺は帰りのスクールバスに乗っていたはず……それで、バス内が急に光りだして、
「ってことは、異世界なのか?」
周りを見ると森だった。俺は女友達とバスで会ってそれっぽい話をしていたから真っ先に思いついたが…
「正解みたいだな……」
いろいろ考えたが、とりあえず、自分が今何ができるかを確認しよう。
「……ふむ、だいたい分かった」
まあ、俺が使えるのは……ずばり、呪いの力だ。ただ、呪術ではなく呪い…つまり、自分の体にある呪いを使うのだ。
唐突だが、元の世界で俺の父さんは骨董品や美術品を求め、世界中を旅するのが仕事であり、趣味だった。
だが、たまに持ってくる父さんの骨董品や美術品に何かを感じた。
それ以来、俺以外の家族が徐々におかしくなっていった。なので、父さんが持ってきた物を全て調べた。
その頃は小学生だったが、俺は子供のころから肝が据わっていたというか精神力が化け物というか自分で言うのもなんだが、まったく動揺しなかったし、感情も全然でなかった。
だから、家族のみんなは怖いって言っていた父さんが持ってきていた物を見ても触っても何も感じなかった。
たぶん、その時に呪いの力を全部俺が吸収してしまっていたらしい。
本来、呪いの道具は持った時点で死ぬまで離れなかったり、精神を支配したりしてくるのだが、俺には効かなかった。
効かないというかなぜか俺に吸収されてしまう。
…異世界に来て分かったが、俺呪いの力を完璧にコントロールというか俺の一部になっていた。
前から変だと思っていた。俺は基本平均的なことしかできなかったのに急に勉強や武術などが出来るようになっていた。
長い間俺に吸収されていたからなのか理由はわからないが、呪いの力とその呪いの道具などの怨念から怨霊ができていた。こちらの世界で言うと呪いはスキル、怨霊はテイムしたモンスターの様な感じだ。
とりあえず、これだけ分かればいいかな……後は、
「近くに村でもあればな…」
俺は適当に森を探索して十分後、ある人物と出会った。
「……お主何者じゃ」
「…………」
ようやく第一村人?を発見した、というかされた。
「おお!異世界の者か」
その第一村人は魔王だそうで第一印象は角が生えたちっこい子供だ。話を聞くと近くに彼女達、魔族とと和解した勇者が隠居の場所場所があるそうだ。
そこに勇者と暮らしていたそうだ。
まあ、魔族と人間の寿命が一緒なわけないのでもうその勇者はすでに死んでしまっているらしい。
俺はその村に案内してもらった。