幼女は最強です。
礎宮である!颯です!そうなんです!
はい……落ち着きます。前話を読んで下さった方、二話から読み出した珍しい方も楽しく読んでほしいです!
「あのさひさぎ、ラーメンとそばどっちがいい」
「そば」
基本、李衣の弱点は見つからない。探しても微塵もない完璧とも思える人間だ。
自分の夕飯を人に決めさせる以外は。
「俺に聞かれても困る。時にやっぱラーメンなんて言ったら食い途中でも変更するのか?」
「そんときは鴨そば食べるよ」
「鴨から鶏ガラなんて考えるなよ」
といった具合にいい加減なやつだ。反抗心は人一倍強く、優柔不断なところがある。
整端な顔立ちから先輩後輩関係なくモテている。そこに痺れる憧れる(棒)
いかに弱点がなくともどこか歪んだ場所は必ずあるもので、それは鹿狩瀬楸もしかり。
弱点に次ぐ弱点の量はとても紹介できるものではない。
今回はその弱点の一部をお目にかける。
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『緊急、緊急!製作段階の未人間がポッドより脱走、未人間の能力は、ランクSSです!直ちに確保して下さい!』
けたたましいサイレンとともに女性の中性声がスピーカーから街に流れる。子供を連れた親は担ぎ上げ家路を急ぎ下校中の学生はざわめき校舎、家に戻る。
ここまでのものを起こす原因。能力のランク値による警報。異能を持つ人間の力はランクで示され、楸のようなレベルをランクDと始め、誓約がありある程度の力を使える者をランクC、誓約はないが力もそこそこの人間をランクB。
制限もなく火や水限定だが力の強い異能をランクA、そしてランクSあらゆる力を誓約なしで使用できる。
そのランクSを越える能力。楸の通う学科ではランクの最高Sだと教わっている。
「なあこれ、ヤバくないか?」
一方ランクDよひさぎは
「俺、始めてみたぜ。未人間っての」
ランクSSと顔を合わせていた。
「此処は何処じゃ……」
黒色の長い髪に狐面のようなフェイスペイント。楸の身長よりも低く一見では普通の人間にしか見えない未人間の裸の幼女。
「儂は誰じゃ。御主は何者じゃ。此処は何処じゃ。」
「知りたがりの子供みたいだな」
「こ……ども?とは何じゃ?」
世間の親御さんの気持ちが身に染みて分かるかな。これは厳しい。ランクSSも伊達じゃない。こういうことじゃないんだろうが。
「お前は、未人間だろ。えと、ここは異能開発特化都市だよ。上手く説明出来ないけどお前みたいなの作ったり、人の能力を上げたりしてるとこ?」
「儂は……未人間。未人間。御主は未人間か?」
「俺は真人間」
ん。滑ったな。未人間を相手にギャグは通じないか。
「……クク。……クククク。……カーカッカ!御主、面白いの、少しからかっただけでここまで騙されるとは思わなんだ!」
無知そうな幼女を包む雰囲気はひっくり返えり圧迫感が全身を走り包み込む。
にわかに混じる殺意も感じ取り汗が額を流れる。
「お前、分かってたのか?騙すなんて酷いことするな」
「すまぬな、儂とて芸は好むのじゃ。御主の拍子抜けな悩み顔。堪らなかったぞ、傑作じゃった!カカッ!」
━━裸体幼女が笑い転げるのはなかなか見物だな。追加の要素でこの喋り方もなかなか。
「で、俺を騙してどうするんだ?劇団の勧誘でもするか?」
「劇団など興味ないわ。うむ、答えようか。御主を今此処で殺そうと考えておるのじゃ」
突然の殺害予告にたじろいてしまう。言い出しそうな趣はあったがどうも心構えが間に合わない。
「理由を聞いても?」
「質問が多いのう、やり返しのつもりか?まあいいじゃろう。
「儂はこの身体を持ってから何日も狭い瓶の中で液体詰めの状態じゃった。あやつら儂より低能の分際で。
「じゃから儂はふと考えたのじゃ。儂に彼是教えるつもりなら上等な儂が、反対に教えてやろうと思ったのじゃ。
「力の使い方というものを」
「それがこれか」
「御主を殺した所で何の得もありゃせんが仕方なかろう?儂は所謂、アカチャンじゃからな♪カカ……」
幸運がここに来てとびきりを惹いたようだね。最後にステーキ食うんだったな。
腹が減っては戦は出来ぬ。弱点……かな。
ありがとうございました。
次話では、今話登場した幼女の名前、そして気になる能力を明かします!楽しみに待って下さい!