9、父親?知らない子ですね。
タイトル入れずに投稿しちゃったので修正
座らされた『自分』、一組の男女。
その周りは何人もの人。
そして男がこちらを指さし――――――
♦ ♦ ♦ ♦ ♦
規則的に揺さぶられている。
・・・・・・は!!
とっさに体を起こそうとしたが失敗。
ん?ああ、そうか異世界に来たのか。
でも俺は魔法を使おうとして、そしたら・・・・・・
「はいはい、クレハちゃんご飯の時間ですよー」
ああん?舐めてんのかてめえ。
んん?この顔は母親のクリルか。
やば、母親罵倒しちゃった。
すみません。
あと、母親呼び捨てか。
とりあえず母親でいっか。まだ、母さんとかそうゆう風に呼ぶほど実感があんまりないしなあ。
それはいいとしてこの状況は俺が抱っこされていたのか。
翼がめっちゃ邪魔そう。実際ちょっと違和感が。
翼が生えていること自体が一番の違和感だけれども。
ん?それはさっきも食ったあんまり美味しくない離乳食もどきじゃないか。
まあ、それはいいとして、そこまで時間たったか?
でもそっか、赤ちゃんはご飯何回も食べるしな。
話を戻すけどあの時俺は光の魔法を使おうとしたら急にぶっ倒れて気絶したよな。
魔力切れ?でも、魔力の量は増やしてもらったんだけどなあ。
そういえば、あの時眩しいって―――そうか!光で目がくらんだのか!
ん?待てよ。気絶するほどの光見たら失明しないか?
でも、閃光手榴弾じゃあ失明しないか。
手榴弾は、気絶しないからそれよりも強い光じゃないか。
目が無事だったのは、龍の耐久力のなせる技か。
怖っ!!龍人じゃなきゃいきなり終わってたなこれ。
軽率だったか。反省反省。
別にいいや。それよりも何でそんな強烈になったのかだ。
まあ、大体予想がつく。
これは、うん、つまり、あれだ、才能がありすぎた。
これで、ちゃんとした経験があれば威力の調整とかもできただろうけれども、だって俺、初心者だし、年齢イコール魔力使わなかった歴だよ。
ていうか、そんな強烈な光出してよく家族気付かなかったもんだな。
すると、部屋のドアが開いた。
おお、養女じゃなかった幼女のフェルトたn・・・ゲフンゲフン、フェルトお姉さまだ。
もしかして、魔法ばれた?
ん?その隣にいるのは…
「クレハー、ただいまーぱぱでちゅよ」
おい、俺に赤ちゃん言葉を使わないでくれ、マジで悲しくなるから。
で、その俺のパパさんは、うーん、一言で表すのならイケメンですね。
金髪赤眼でそれだけだと、俺はクール系を思い浮かべるのだけれども・・・・・・
「あなた、お帰りなさい」
「うん、ただいま、出かけた時よりも一段と可愛くなってるね」
「もう、あなたこそ一段とかっこよくなってるわ」
うわぁ、お前ら子供の前でいちゃつくなよ。
と、とにかくなんかもう顔からもオーラからも優しそうな雰囲気が。
俺は優しそうな奴ほど裏ではやばいんじゃないかって疑うひねくれものだけれども、流石にこんな矢印で『この人は優しいです』って書かれていてもおかしくないぐらい優しそうで疑えないわ。
てか、俺、イケメン嫌いなんだよなあ。
なんかよくわからんけど嫌いなんだよ。
別に、イケメンに負けてるとは思ってないけど、なんか嫌いなんだよ。
一般男性諸君が表向きはともかく、裏ではイケメンを嫌ってるみたいに。
まあ、親だし我慢するか。
父親?おお、父親がいるぞ。
何て呼べばいいのでしょう。
ま、いいや。
ほらそこ、重たい空気にならない!
「パパー、おじいちゃんは?」
「ああ、おじいちゃんはまだ働いてるよ」
「ふーん」
さすが、お姉さま。
俺の知りたい家族構成まで聞いてくださるなんて。
でも、働いてるっていったい何してるんだろう。
職人?
農家?
冒険者?
でも、冒険者は定住しないし。
まあいいや、どうせそのうちわかるでしょ。
俺は、ようやく自分の意志で動かせるようになった頭で外を見た。
窓から見えるのは、鬱蒼とした森だった。
後、この感じだと、魔法ばれてないな、よかったよかった。