7,魔法使い(地球にたくさんいない方)になりたいな。
外が騒がしい。狂気が世界を支配し、辺りには死が満ちていた。
しかし、『自分』はその死に興味を持つこともなかった。
そして、その視線の先には――――――
♦ ♦ ♦ ♦ ♦
ん?いつのまにか寝ていたみたいだな。
赤ちゃんだからね、仕方ないよね。
なんか不思議な夢を見た気がするな。多分すごい大事な内容だと思うんだけどなあ。
まあいいや。思い出せないものは仕方ない。
それよりも魔法だ魔法。
不治の中二病患者として使わないわけにはいかないでしょ。
さて魔法といってもいろんな種類がある。
まあ前世での情報だから、そこまであてにならないかもしれないけど。
呪文を唱えれば魔法が使えるって感じだ。
ハ〇ー・ポッターみたいに唱えればいくらでも使えるのとか魔力を消費したりするのがあったりしてその理由はその言葉自体が意味を持つのとか、イメージを固めるためだったりする。無詠唱にできたりもする。
あと、精霊魔法とかの契約したりするやつとか魔法陣とか。
大体のファンタジー作品はこんな風にマナやら魔力などの説明があっても科学的には意味不明である。
まあ、説明できてしまったらそれはそれで大問題だけどね。
それで、結局何が言いたいのかと言うと・・・・・・よくわかんないけど試してみよう(ハイテンション)ということである。
しかし、試すといっても厳しいものもある。
まず、詠唱魔法。
詠唱を知っている知らない以前に、俺は赤ちゃんなのでまともにしゃべることもできない。
あうあう言うことしかできません。
それに、さっきから周りをそれなりに見ているけれど精霊らしきものは見えない。
まあ見えるとは限らないけど。
というか見えたらヤバいよね。
じゃあ何を試すかというと、無詠唱魔法である。
これだったらイメージだけでできる。ダメだったらその時は諦めて歩けるようになるまで待とう。
いくぞ。
メr・・・・・・ストップ!
あぶねぇ。もし成功したら火事になる。
使う魔法もよく考えないと転生一日目で死んじゃう。
杞憂かもしれないけど死ぬよりは全然いい。
まあ、どんな魔法があるのか知らないけど前世の定番と全然違うことはないと思う。
もし違ったら?
頑張る。
火と雷は論外死んでしまいます。
水は後処理が大変、というかできない。
土、木は室内なので少しきつい。
後、定番は風と光と闇、それにあるかわからないけど無属性。
闇はイメージしづらいな。暗くするのか?
風は大丈夫そうだけど場合によっては風の刃とか出てきそうだし。
やっぱり、明かりをつける魔法かな。
作品によっては、光か、無属性か、全属性で使えるかは違いがあった。
でも、まあそれじゃあ死なないでしょ。
よし、今度こそは、ルー〇ス。
・・・・・・あれ?おかしいな、発動しない。
ま、まあ発動しないことが普通だけどね。
でも、ここ異世界だし。
やり方が違うのかな?
思い出せ、前世での長年の中二病生活で培った知識を!
そうだ。
魔力をつかえ。
ただ、イメージするのではなく。
きちんと、魔力を意識するんだ.
まあ、ここまで言っといて間違ってたらめちゃくちゃ恥かしいけどね。
え?魔力なんか意識できるのかって?
ふふふ、小二から中二病していた俺をなめるな。
そんな事小学生の頃に数え切れないほどしたさ。
もっとも、その時に無駄に武道の才能があったせいで気の流れ?みたいなものが解るようになって、そのせいで俺の中二病は大変なことになったのだけどね。
話を戻すとその気の応用みたいな感じで体の中にある力というか流れというか。
なんかこう、血の流れに沿って力を一転に集中させて。
前世だったら多少力が強くなるだけだったけど、今は明らかに今まで感じたことのない何かがあった。
それを手に集めて凝縮させる。
怖いなー。
暴発とかしないよね?
しないでね。
そして集めたそれを(もう魔力でいいよね?)手のひらから一気に放出する。
同時に魔力を光に変える。
すると……手のひらからあり得ないほどの光が溢れ。
そう認識する前に俺は意識を失った。