6、はじめての、転生(二度目があるとは言っていない)
遅れて申し訳ございません。
俺があたふたしているうちに部屋のドアが開いた。
入ってきたのは一人の大人の女ともう一人猫耳の少女が入ってきた。
俺の母親だと思われる方は金髪碧眼の美人だ。
何だろう、俺は美人を親に持つという運命なのかな。
別にいいけど。
まあ、親が美人で困ることは親と俺が姉妹だと間違えられることくらいだし。
俺が当たり前のように女に見られていることなんか知らない。
そしてもう一人の猫耳は栗色の髪に耳で2,3歳くらいの幼女。
小動物みたいな感じでとっても可愛い。
可愛い、可愛い言ってるとロリコンだと思われるって言うか前世での数少ない友達に言われてたけれど、俺は幼女というか女というかあらゆるものに性欲というものを抱いたことがない。
男なんか論外だし、女も小さい頃からそこら辺の女だと比較対象にすらならないような奴らと暮らしてきたからな。
可愛いとか綺麗とは思うけど、性欲にまでは発展しないみたいな?
だから俺はきっとロリコンではないと信じたい。
俺が現実逃避をしていると猫耳もとい幼女が木のお椀を持って俺がいるベッドに駆け寄ってきた。
うん、可愛い。
「クレハさま~、朝ごはんですよ~」
クレハ?偶然ってことはないだろうからリインが何かしたのかな?そしてなぜ様を付けた?
そういえば一応異世界語にも対応できるみたいだな。
ん?母親(?)も近づいてきた。
「フェルト、クレハに様なんてつけなくていいの。あなたは私の娘みたいな子なのよ、だからこの子はあなたの弟よ」
「はーい、クリルさま~」
「もう、わかってないわね」
そう言いながら俺の新しい母親は離乳食みたいなものを俺に食わせてきた。
んー、これ微妙かな。
多分このクリルって人が俺の母親でフェルトっていう猫耳はこの家の養女かな?
それで、まだこの家に馴染めてないと。
べ、別に幼女と養女をかけたわけじゃない。
「お母さま~、なぜクレハには翼が生えているの?」
お、いいぞ俺の知りたいこと的確に聞いてくれた。
「それは、難しい話だけど神龍は知っているでしょ?」
「うん、知ってるよ~。龍の神様達だよね」
「そう、それでその神龍の血が混じっているのが私達龍人なの。竜の血が混じっているのは竜人って言うんだけど、龍人であるか竜人であるかにかかわらず大体は血が薄いから鱗が少しあるだけで血が濃いって言われるぐらいなのよ。けれどたまに先祖返りがあって翼だったり尻尾があったりするのそれがクレハってことよ。わかった?」
「全然わかんない」
「まあいいわ、それと私達に混ざっている血は闇の神龍の血よ」
つまり、俺は人間ではなく人間と龍のハーフに転生したということか。
確かに俺はハーフだったけどさ、わざわざ別の生物とのハーフにしなくてもいいのに。同じ哺乳類ですらないよ。
というか、龍ってあのラスボスとかに出てくるあの龍?なんか神とか言ってたし、ひょっとしなくてもこれはチートじゃないか?
まあ、強くて悪いことはないでしょ。
強いといってもまだ俺はまだ赤ん坊だし。え、といういことは今殺されたらどうしょうもないよね。
やばいね。まあ、生き残れることを祈ることくらいしか今はできないか。
ん?どうやら朝飯が終わったらしく母親は部屋から出て行った。
そしてフェルトも俺の頬を突いたあとに出て行った。
ふう、やっと落ち着いて考え事ができる。まあ、さっきまでも普通にしてたけど。
後回しにしていたけどリインに言われたこともあるんだよな
意識はほとんどなかったけど言われたことは自然と頭に入ってきた。
そう、まるでゲームのように『井上紅葉は多重人格のスキルを手に入れた』と。
前世で二重人格だといわれたことはあった。学校では無口にしていたが家や友人の前では普通にしゃべっていたから。
けれどこれは二重人格ではなく、あくまで演じていただけだ。
これはこれで異常だと思うけど中二病をこじらせただけで自分の意志だ。
でもこれは多重人格というスキルだ。スキルはないといったのはリインなのに。
どう使うのかな?
唱えればいいのかな?
そんなわけないと思うけど一応、声には出せないけど心の中で叫んでみる
多重人格‼・・・・・・ぐすん
もうこれはわかんないから保留。
まだ緊急性はないけどやらなくちゃならないことは沢山あるよなぁ。
魔法も使いたいし。
いつもだったら面倒くさいと思うくらいの量だけどやっぱり内容が内容だけにあまり面倒とは思わないな。少しは思うけど。
そして俺が使い方のわからない魔法をどう使うか考えていると猛烈な睡魔に襲われた。
まだ赤ちゃんの俺にはこれ以上は無理らしい。
まあ、寝てから考えるか。
俺はそう考え睡魔に身をまかせた。
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