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no.20, 21
no.20
かみしめた感情と
こみあげる この想いを
まっさらな大地に横たえて
他愛もなくありふれた
風の言の葉 つむぎだす
さらさら吹いてゆくことも
ぐずぐず凪いでしまうのも
その時々 それぞれだけれど
心の風を通したくて ふみしめる
白い空間を その瞬間を
いつまでも
大切にしていたい。
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no.21
訪う人もなく
木々の衣擦れが囁くこともない
真白の世界
しんしんと漂う雪のなか
ただ凛と佇んでそこに在る
まるで 夢のような風景のなか
ただ凛と佇んでそこに在る
降りかかる冷たさに構うことなく
その あたたかな腕に生命を抱き
日に増す重さにも耐え
彼はただ じっと待つ
麗に輝く陽光を
ただじっと待っている