いきなりそれ地雷っぽいよ?
四月も終わりに近付き、英次たち無音の投擲槍は細かい任務をいくつかこなし、それぞれの単独任務可能執務執行官もちょこちょこと任務を重ねていた。
「ぜんぜんっでてこねぇな」
「あら、行き成りね」
セーフハウスで英次が突然言い出して、梨華が首を傾げると、更紗もいい加減疲れた、と言いたげに小さくため息を吐いた。
「ここまで完全に情報を隠匿するとは思わなかった。そんなに恵まれた子供計画って奴はやばいのか?」
英次に直接聞かれて、梨華は首をかしげる。
「難しい話よね。過去の記憶を完全に排除して、人格を制御する。その上で行動規律を書き込んで兵器化するのが「やばい」話じゃないって言うならそうでしょうし」
「あー、悪かったよ」
英次が適当に謝ると、梨華は「いいえ」と首を横に振る。
「少なくとも恵まれた子供計画が打ち切られたとしても、それを実行に移した人間たちは原罪に処するべきだと思うのよ」
「それはわかりますし、私たちもその目的で集まったようなものですからね」
更紗が情報解析を再開しつつ呟く。見目、目を閉じて眠っているようしか見えないが、更紗の頭の中では精神情報網と電子情報網の大量なデータが展開されている。
「絵里は彩香のとこか」
夕刻になっても帰ってこない絵里と友樹は恐らく、今日も総合病院で彩香の見舞いに向かっているのだろう。
◆◆ ◆◆
明日には退院できるみたい。
彩香に言われて絵里と友樹は安心すると、ほっと一安心した。
「また一緒に授業できるね」
絵里が微笑むと、彩香が「うん」と頷く。
友樹が話を聞いて、戦闘をしたときのことを思い出すと、やはりこの二人はこのままのほうがいいな、と傍観していた。
「絵里ちゃんのお陰で個室に入れたし、すごくいい感じだよー」
彩香がけらけらと笑い、絵里は複雑そうな顔をする。
「私は病院とかいやだなぁ。ほら、元々私、身体をいろいろいじられてたから」
「あ、ごめん」
彩香が両手を合わせて謝ると絵里が首を横に振る。
「今までこんなこと言える人いなかったから、今は愚痴が言えて逆に楽なんだけどねー」
「そっかぁ、まぁ結構我慢してるトコあるからね、絵里ちゃんは」
「いいんちょー程じゃないけどねー」
二人が言い合ってまた笑うのを見て、友樹は「平和だなぁ」と窓の外を見る。
こんな平和も国連魔導軍(UNマギナリー)に所属している自分たちには簡単に戦場へ送られてしまうのかもしれない。そう思うと部隊に所属しているのがばからしく思えてしまう。
「力があるから、抵抗できない奴を守るのか」
友樹はふっと笑うと、絵里と彩香が友樹を見て首をかしげる。
「せんぱーい、もどってきてくださーい」
「友くーん、晩御飯ですよー」
二人が茶化すと、友樹は「まいったね」と苦笑する。
翌日に退院できると言っていた彩香は確かに退院したが、精神的な虚弱による『魔導師の再教育』を受けるために違う施設に運ばれ、また三日間の研修を受けていた。
今日は帰ってこれるってメール来てたなぁ。
絵里は親友である彩香の再会を楽しみに学園へ登校していた。
◆◆ ◆◆
構内では飛ばない。
廊下にそんな張り紙がしてある。それも仕方ないが、空を飛ぶ魔術を使用できる生徒にとっては鬱陶しいことこの上ない。確か上級生が最近、飛行して移動しているところに教師とぶつかって大事故になったとかならなかったとか言う話があった。
絵里はその張り紙を見て大変だなぁと呟いて教室に入る。
学園中等部一年 午前八時六分
「絵里、今日は少し遅いじゃない。貴公子はもう帰ってったけど?」
「おはよーいいんちょー」
絵里が呆けた顔で挨拶すると、彩香が首をかしげる。
「いいんちょーじゃないっての…」
「あ、ごめん」
初等部の時にクラス委員だった印象が強くて今でもたまに委員長と呼ぶのは毎度のことで、彩香は不承不承ではあるが容認していた。
「体の具合はどうかな?」
自分が撃ち放った空砲だが『魔力実体』のある弾丸を当てられた彩香は三日間の入院をして、その後三日間の『再教育センター』の精神教育を受けて戻って来ていた。
「心身ともに異常ないって…その…」
「そっかー良かったね」
絵里がにこりと微笑むと、彩香は複雑そうな顔をした。
「ライバルだって思ってたし、私はあなたに負けたくなかった」
俯いてしどろもどろになりながら言う彩香に絵里は「うんうん」と頷く。
「だから…その…」
「ごめんね。私は恵まれた子供の『最終型番』だから、普通の人とは基本性能が違うんだって。元々の名目は『プロジェクト神を殺す槍』って言って、最初に作られた試作型番の梨華さんを殺すための存在だったらしいの」
さらりととんでもない事を言われて彩香が思わず苦笑する。とんでもない運命とでも言うのか、そう言うものを背負わされてしまったことに対して憤怒も悲哀も全く感じられないのは彼女特有の雰囲気なのだろうか。
「話には聞いてるけど…その恵まれた子供が私たちの…魔術や魔法の『基礎理論』を作ったんでしょ?」
「んー、正確には梨華さんが世界中に魔法をかけたんだ」
話がぶっ飛んでいて彩香は目を細める。
「梨華さんが三歳の時に発動させた魔法が世界中の人間に対して精神干渉したのが始まり…でもこれ以上は『国連議会機密』に含まれるから、大人になってから話そう?」
「十分、貴重な裏話だとは思うわ」
機密、だのそう言うのを絵里が言ってもちっとも重大な内容に聞こえない…。
彩香は苦笑すると、絵里が「?」と頭の上に記号を乗せているように首をかしげる。
「いいんちょー、身体に傷残らなかった?」
絵里がまじまじと身体を見下ろして、彩香は身をよじるようにして自分の体を抱きしめるようにして隠した。
「べ、別にそんなに心配しないでもいいわよ…」
「えー」
女の子なんだから自分を大事にしなきゃー、と絵里は言うが、当の本人は国連に所属する空戦特務部隊の隊員として秒間何百発もの対空砲火の中を飛び回っているのだから説得力がいまいち欠ける。
「おーい、絵里いるかー?」
教室のドアが開けられてクラスメイトが見慣れない顔を見つけて顔を顰め、上級生だと知るや否や顔を緊張させた。
「絵里ちゃんはあそこです」
女子生徒が絵里を指差すと「さんきゅー」と侵入者は手を上げると、教えた女子生徒が頬を赤くしている。
「友樹センパイだ…」
「なんだ?」
クラスメイトがざわつき、絵里は見知った顔を見つけてにこりと微笑む。
「友樹くん、どーしたの?」
「ん?今日の昼飯いらないって言いに来た」
「PDAは?」
絵里が首をかしげると、友樹は「俺のは修理中」と両手を上げて空かしてみせる。
「あ、昨日梨華さんに壊されちゃったからね…」
「ま、な。で、今日の昼は降矢さんと俺の分の飯はいらなくなったからさ」
「そういうのは作る前に言ってくれないと…でも梨華さんが全部食べるから平気かなぁ?」
絵里が「うーん」と悩むと友樹が苦笑する。
「あの人は人の何倍も食うしな…それであのスタイルの良さはすげぇよ…」
「友樹くん、おっぱい好きだ…」
絵里の口を友樹が押さえて周囲に「うわははは」とでかい声でから笑いする。
「降矢さんと友樹くんがお昼要らないって、任務か何か?」
絵里は友樹の手を口から剥がして尋ねると、友樹の顔が急に真剣なものに変わった。
「ああ…らしいな。俺と降矢さんの前衛二人だけが召集されたってことは…」
「そっか…『行き先未定』かな?」
極秘任務の情報収集などは、担当する魔導師にも行き先は直前まで知らされないことが多い。そう言う作戦を『白い切符』と呼び、前準備も出来ないために精鋭以外には作戦が回されない事が多い。
「心配しなさんな。内容にもよるけど、帰還したら腹減ってると思うからよろしくな」
くしゃり、と絵里の頭を撫でて友樹が教室から出て行く。
「心配そうな顔してた?私」
「してた…むっちゃしてた」
彩香が苦笑すると絵里は「むー」と両掌で頬を摩る。
「自分のいないところで誰かが傷つくのは見たくないかなぁ」
「絵里らしいとは思うけどね…いいなぁ」
不意に言われて絵里が首をかしげると、彩香が机の上にべしゃりと伏せる。
「なにがー?」
立っているのもなんなので隣の椅子に座って机の上に頬杖をして、覗き込むようにして彩香を見ると、彩香が首だけ動かして絵里を見た。
「友樹センパイってかわいい顔してるじゃん。んで、仕事とかになると野生的じゃない」
「あー、突っ込み癖があるって梨華さんに反撃よく貰ってるけど」
「そうじゃねーわよ」
彩香が上半身を起こして絵里の額を指で弾く。
「うー、どういうことだよー」
絵里が不満そうな顔をすると、彩香が教室を見回す。
「中等部で結構、友樹センパイのこと知れ渡って来てるのよ。一年の間じゃセンパイを狙ってる子もいる。私のセンパイを」
「はぁ」
絵里が「いつから友樹くんは所有物になったんだろう」と呟くと、彩香がぽん、と両手を合わせた。
「あー、パスで」
絵里がにこやかに言うと、彩香が目を細くする。
「あんた、最近やけに察しがいいわね。英次センパイや梨華センパイみたいよ?」
「あの人たちは頭の回転が早いから、一緒に生活してるとそうなるのかもねー」
自分でも驚いているが、最近はやけに周囲の思考や行動を先読み出来る様になっている気がした。
「私を傷物にした責任を取ってもらうわよ?」
「あら?なめてあげようか」
「梨華センパイみたいなこと言わない!っていうか十年早い!」
ごすっとチョップを頭にもらって絵里が両手を頭の上に乗せて涙目になる。
「真似してみただけなのに…」
「私が言うのもなんだけど、教育上よろしくないセンパイね…」
「面白いけどねぇ」
友樹が梨華に振り回されているのを見るのは楽しいが、実は内容がよくわかっていないので合わせて笑っていることのほうが多いとは言えない。
「で、本題」
「パスにー」
「却下、パスは一回まで」
絵里は言われて渋い顔をすると、彩香がにやりと笑んだ。
「どーせ、友樹センパイを連れて来いって言うつもりだった」
「一回目はそう」
正解、と言われて絵里は「やっぱり」と視線を逸らす。
「友樹センパイと一緒に帰りたい!」
きゃー、と自分で言って赤面する彩香に絵里は「あー」と呟く。
「指導の後の友樹くんって機嫌悪いよ。すっごく」
「あ…」
彩香は指導を思い出して苦い顔をすると、絵里が苦笑する。
友樹の場合は部隊で能動前衛を勤めている。幅広い戦術と応用力を求められ、接近して来た敵を反撃していかなくてはならないため、紙一重の戦闘が多くなることもある。それ故、英次主導によって行われる指導も苛烈を極め、指導終了時間に友樹が意識を保ったまま終了する事はほとんどない。
「友樹くんは四階級以上違う階級の魔導師と殴り合ってるわけだから…ねぇ」
「四階級って…友樹センパイって階級が確か」
「Bだよ」
絵里が言うと、彩香が項垂れる。
「Bって普通、高校卒業試験と同じじゃない。あんたとあたしがCだったはず」
「技能的な階級はね…。うちらは魔力階級は違うじゃない」
「まぁ、技能階級が重視されるから別にそっちは気にしてないけど…英次センパイはいくつなの?」
「英次さんと梨華さんは『Unknowns』だよ。えっと魔力と技能の両方の意味で」
「化け物ね」
「だねー」
絵里がうんうん、と感慨深く頷く。
「どっちが強いのかな…」
なんとなく、興味が沸いて彩香が呟くと、絵里が「うーん」と頷いた。
「降矢さんが言ってたけど、二人が本気で戦ったら観測者は地球上に誰も居なくなるって」
「物騒な話だわ」
やれやれ、と彩香が首を横に振る。
「で、今日の放課後に友樹センパイを呼んでくれる?」
「…」
笑顔のまま絵里が硬直すると、彩香が「ふっふー」と笑ってみせる。
「話を逸らして煙に巻こうとしたな?策士めー」
「ぬぅ…まぁ傷付けたことに対しての謝罪ってことで…」
絵里がしぶしぶ了承すると、彩香は満足そうに頷いた。
◆◆ ◆◆
今日の…放課後って…任務があるから無理って言えたらよかったなぁ…。
昼休みにカフェテリアにて無音の投擲槍の部隊員は絵里が毎日人数分作った弁当を食べている。そこになぜか全員が集合している上に、友樹は絵里の目の前に座っていた。
「俺は機嫌が悪い」
そんな顔をしていた。言葉でなくてもわかる。喚き散らしたり、物に当たったりは絶対にしないが、若さゆえに感情が隠しきれてなかった。
弁当を並べて「どうぞ」と絵里が言うと、我関せずと英次と梨華が食事を始め、友樹の隣にいる降矢も黙々と食事を始める。絵里の隣にいる更紗だけが何故かおろおろとして友樹を見てはいるが、威圧感に言葉を投げかけられずにいる。更紗は困った表情で泣きそうに隣の英次をちらちらと見ては、英次が「俺のせいじゃねーよ」と言わんばかりに食事を再開した。
「任務、どうだった?」
絵里が上目遣いで尋ねると、食事を始めた友樹の箸がぴくり、と止まった。そして再開される食事。
「いきなりそれ地雷っぽいよ?」
「え?ほんと?」
こっそり更紗に言われて絵里が目を丸くする。
「任務は中止です。なんでも命令系統が混乱していて、情報部と作戦部の折衝があったらしくて、待機命令が出ましたが…この様子では作戦は中止でしょうね」
一緒に友樹と同じ作戦に参加する予定だった降矢が微笑みを称えた聖人のように教えてくれた。
「中止っつってもなぁ」
友樹がぶすーっとした顔で絵里を睨みつけてくるが、絵里は別段怒られているわけでもないので動揺もせずに視線を受け止めると、更紗が何故だか、またそわそわとし始める。関係ないはずだが、勝手にその落ち着きの無い様子を見せられると絵里は「あー」と脱力した。
「情報部は「お前たちに出番はなくなった」だとよ。んで、作戦部は「未だ動くな、繊細な作戦を無駄にしたくなかったらな」だと。お前らの手違いじゃねーのかって感じだよな」
イライラを抑えられないのか、友樹が頭をがしがしと掻きながら天井を見上げて身体を仰け反らせる。
「あら、そんなことがあったの」
「へぇ」
梨華と英次は適当に口を開く。良くあることで二人は慣れているし、頭に来たとことでどうしようもないことも知っているから冷静な大人の対応を見せる。
「でも、作戦が無くなったって事は二人はオフになるんですよね?」
更紗が降矢に尋ねると、降矢が頷いた。
「ええ、作戦が取り消しになった場合はその当日から換算して三日間はどの作戦にも参加出来ない規則ですからね」
「明日、明後日は完全にオフかー。いつ飛んでくるかわからない作戦が完全になくなったって思えると安心しますよね?」
更紗が友樹の機嫌を伺うように友樹の顔を覗き込むと、友樹が更紗を睨み付けた。
「ひぃ」
更紗が英次に抱き付こうとして、英次が弁当箱をひょいと持ち上げると更紗が英次の胸元にしがみつく。
もはや狂犬だな。
英次が友樹の様を見て呆れると、梨華がすっと立ち上がって友樹の後ろに立つ。
友樹は苛々し過ぎて梨華が後ろに立っていることすら気付いていない。
「んご?」
後ろから両手を回されて友樹が驚くと、ぐいっと後頭部に柔らかい何かが押し付けられて、ふうっと耳に息を吹きかけられた。
「落ち着きなさい、坊や」
「うおおおおお、やめてください!」
友樹が顔を真っ赤にして慌てると、梨華は両腕に力を入れて更に抱きしめる。
「だーめ、更紗とか怖がってるじゃない。落ち着きまで話さないわよ?なんなら午後の授業までする?」
「わーっおーっ」
友樹が叫びながら手足をじたばたさせると机ががたがたと揺れる。
周囲の生徒が何事か?とこちらを見たり、男子の数人が羨ましそうに英次を睨んでいる。ふくよかな弾力を意識しないようにすればするほど、友樹はそれに集中してしまう。
いい匂い、だった。
柔らかい女性特有の暖かさと本当に柔らかいそれに当てられて慌てない思春期の少年はいないだろう。
「…英次くん、羨ましい?」
「さーな」
更紗に聞かれて英次がそっぽを向く。
「わかりました、すんませんって」
友樹が本当に暴れかねないので梨華が手を離すと、友樹が肩で息をして耳まで真っ赤にしていた。梨華は満足したのか、一息吐いて着席して食事を再開する。
「そうね、今日から明後日までの指導お休みしましょうか」
「え?」
更紗が目を丸くして、明らかに嬉しそうな顔をする。
「嬉しそうね」
「べ、別にそんなわけじゃ!」
慌てているのが見え見えのオーバーアクションで首をぶんぶんと横にふって否定する更紗に梨華は「そうは見えないけど」と呟く。
「なんでまた」
英次も意外そうに梨華を見る。正直な話、友樹も絵里も指導が休みになると聞いて嬉しかった。地獄っていうものが優しく思えるほどの訓練内容で、心身ともにぼろ雑巾のように酷使される『授業』なのだから、なくなって嬉しくないわけがない。
「まぁ、息抜きも必要かなと思って。毎日毎日追いかけられて、狙われて大変でしょうし」
「まぁ、追いかけてるほうは楽しいんだけどな」
英次が残念そうに呟くと、更紗が涙目になる。
「隊長は仕事が残ってるからそっちを片付けてくれないと」
梨華の流し目に英次が「へーい」と生返事をする。書類がたくさん残っていて、大抵それを処理するのが梨華という話だ。文句は言わないが、相当ストレスが溜まっているのか、時折『指導』にもその影が見え隠れするので、更紗、友樹、絵里にとっては英次に出来る限り梨華のストレス元は減らしてもらいたいものだったりもする。
ちなみに梨華は英次の『保護観察処分中』の身柄なので言われた事はやらなければならない立場上やっているだけ。
「友樹くん、今日ヒマ?」
「ヒマになっただろ」
まだ不機嫌な友樹に絵里が「はぁ」とため息を吐くと、友樹が目を細くする。
買い物には友樹から手伝っているわけだし、用事をわざわざ聞いてくる絵里に友樹が首をかしげた。
「なんかあんのか?」
「まぁ、帰りに教室に来てくれるとうれしいかなー?」
「…」
友樹が首を捻ると、英次と梨華が視線を合わせて一度頷く。
その英次と梨華のアイコンタクトは二人の一種独特の意思疎通とでも言うのか、言外で会話出来るのではないか?と言うほど二人はそれだけで互いの疎通が行われている。
「まぁ、それくらいなら…」




