女の戦い2
「私に勝ったら、何でもしてあげる。」
「な、何でもって……!!どうせ勉強関連のゲームなんでしょ??特待生相手に勝てるわけ……!」
新宮あまねは意地悪そうにニヤニヤと笑っている。
「別に、無理なら良いよ?でもその代わり、私はずっとここにいるし、あんたがワーワー騒ぐのも許さない。」
新宮あまねは菊田さくらに向かって、ハッキリと口に出して言った。
「私はね、絶対にトップじゃないといけないの。だから出来るだけ最高の環境で勉強したいわけ。」
「ここが最高……?」
「うん、ここが1番落ち着くわ。」
菊田さくらはうーん、と頭を悩ました。
(絶対に勝てない。まず勝てない。けど………。)
「分かった。そのゲーム、するわ。」
新宮あまねはさらにニヤリと笑い、
「よし、じゃあ今度の定期テストで、どれか1教科でも私より点数が高ければ、あんたの勝ちね。」
菊田さくらは息を呑んだ。
「随分と易しいルール設定だね?」
新宮あまねは「あんたにとってはね。」と言った。
「正直、総合得点なら負ける気しないけど、各教科なら話は別よ。あんたはどれか1教科で満点を取れば良い。対して私は、全教科で満点を取らなきゃいけない。」
新宮あまねはふっ、と笑った。
「すっごく面白そう。」
菊田さくらはゾッとした。
(これ私、利用されてない……??)
「ふぅん、い、良いけど。でも絶対負けないし。」
(バカバカ!私のバカ!私が頑張れば頑張るほど、こいつの思うツボじゃん!!)
新宮あまねは笑った。
「ふふ。じゃあ私も、負けない。」
そして女の戦いが始まった。