初めての街ライス
シンは街の城壁前まで来て、列の最後尾にいた人に声を掛けたのであった。
「すいません。
この列は、何で並んでいるのですか?」
「この列か。」
「はい。」
「この列は、街に入る前の検査で並んでいるんだ。
君は、街へ来たのは初めてか?」
「はい、初めてです。」
「そうか。
初めてじゃ、何で皆んな並んでいるのか分からね〜わな。」
「はい。」
「君は何しにこの街へ来たんだ?」
「一応冒険者になる為ですね。」
「冒険者か。」
「はい。」
「武術が出来そうには見えないけどな。」
「まだ15歳ですし、見た目は普通の少年ですからね。
15歳の少年が武術を出来るなんて分からないでしょう。」
「そうだわな。」
「次の者!」
「おっ、お呼びだ。
それじゃな少年。」
「はい、ありがとうございます。」
「次の者!」
「僕の番だ。
はい、今行きます!」
シンは親切なおじさんに教えて貰い、自分の番になったのでシンも門番の所へ向かって行ったのであった。
「少年か。
少年はこの街は初めてか?」
「はい、初めてです。」
「この街へは、何をしに来たんだ?」
「冒険者になりたくて、この街へ来ました。」
「わかった。
では、この水晶に手を触れてくれ。」
「この水晶に手を触れたら良いのですね?」
「そうだ。」
シンは門番の言う通りに従い、台に置いてある水晶に手を触れたのであった。
そしてシンが水晶に触れた時に、水晶の色が透明から薄い青色へと光ったのである。
「問題は無いな。
では、隣の兵士の所へ行ってくれ。」
「わかりました。」
「おう、少年。
この街は初めてか?」
「はい。」
「滞在はどれ位するんだ?」
「長く滞在すると思います。」
「一ヶ月以上か?」
「はい、多分それ位は居ると思います。」
「そうか。
身分証明書が無い者は、最大の滞在期間が7日間しか出せないのだ。
それ以上の滞在は、住人になるかギルドに入るか門番に滞在の延長を申請しないと行けない。」
「一応冒険者になりに来たので、冒険者の方で申請ですかね。」
「そうか、冒険者になりに来たか。
登録が終わったら、またここに来てくれ。
その時は、通行料も返還するから。」
「わかりました。」
「通行料は銅貨10枚だ。」
「わかりました。」
「ライスの街へようこそ。」
シンは門番の兵士に通行料の銅貨5枚を払い城門を潜ったのであった。
そして城門を潜った先に、シンの前に見えて来たのは?
「うわ〜、綺麗な街だな〜。」
城門を潜った先には綺麗に舗装された石畳と、建物が区画整理され何処を見ても同じ大きさの建物があったのである。
「え〜っと。
冒険者ギルドは、何処にあるのかな?
あそこの店で、冒険者ギルドが何処に有るのか聞いてみよう。」
シンは建物の一角にある店を見つけて、その店にいる店員に冒険者ギルドが何処に有るのか訪ねようと向かったのである。
「すいません。」
「いらっしゃい!
少年や、お使いかい?」
「違うよ、冒険者ギルドが何処に有るのか教えて貰おうと思って来ました。」
「他の村や町から来たのかい?」
「そんな所ですね。」
「冒険者ギルドへ行ってどうするんだい?」
「冒険者になろうと思って。」
「冒険者にかい?」
「はい。」
「確か冒険者になれるのは10歳からだけど、両親は反対してはいないのかい?」
「もう両親は居ないので、自分で何かしないと行けないと思って冒険者になろうと思いました。」
「そうだったのかい。
嫌な事を思い出させて悪かったね。」
「別に大丈夫ですよ。」
「ありがとうね。
冒険者ギルドは、この中央の通りを真っ直ぐに行くと中央広場に出るからその広場にある大きな建物がそうだよ。
看板に、盾と剣が描かれて要るからすぐに分かると思うよ。」
「わかりました。
ありがとう、おばさん。」
「別に、イイって事よ。」
シンは店のおばさんに冒険者ギルドが何処に有るのか訪ね、中央広場にある大きな建物の看板に盾と剣が描かれている建物が冒険者ギルドだと教えて貰い教えて貰った道を歩きながら冒険者ギルドへと向かって行ったのであった。
シンの所持金
金貨100枚
銀貨100枚
銅貨100枚→90枚(-10枚)