異世界へ
シンは豊穣神と武神に異世界へと移転させられて何処かの森の木にもたれ掛かっていたのであった。
「ううん。
異世界へと来たけど、ここは何処だ?」
「周辺には人や魔物の気配は無いみたいだな。」
「母さんがリュックの中を見てねって言っていたから、今のうちにリュックの中を見てみよう。」
シンは周辺の確認をしてから豊穣神から貰ったリュックの中を確認し始めるのであった。
「うん?
リュックの中に手を入れたら、頭の中に何か出て来たぞ?」
【リュック】
硬貨
金貨100枚
銀貨100枚
銅貨100枚
豊穣神特製弁当×100個
魔法の水筒×1個
上着×10着
シャツ×10着
ズボン×10着
下着×10着
「硬貨が各100枚って、母さん持たせ過ぎだと思うけどもなるべく金貨は使わない様にしないといけないな。」
「それに特製弁当が100個って、母さん作り過ぎだろう。
僕としては助かるけども、少しづつ食べて行こうっと。」
「衣類は、さすがにこれ位で良かった。
100着なんてあったら、絶対着て無い衣類が沢山有りそうだから。」
「そろそろここを出ようかな。
周りは背の高い木が一杯あるから、街が何処にあるか分からないな。」
シンは周辺を観察しながら街が見えないか周辺を確認していたのだった。
そしてたまたま自分が居る場所だけが明るい事に気付いたのである。
「僕が立っている場所が明るいという事は、上は何も無いはず。」
「眩しいけれど、あれくらいの空間が空いていたら大丈夫だな。」
「よし。
少しジャンプして、街がある方向を確認するか。」
そうしてシンは木と木の空いている空間を利用してジャンプし、街がある方向を確認するのであった。
「よっと。」
「あったあった、あっちの方向に街があったぞ。
街の大きさまでは分からないけれども、人が住んでいる場所は見つけたから行ってみよう。」
シンは街を見つけた方角へ行き、街がある方角へと歩いて向かって行ったのであった。
そして森を抜けた先には大きな街道が見えて来たのであった。
「道があったあった、それにしても大きな道だな。
この道をあっちに進んで行ったら、街に着くはずだ。」
そしてシンは、街道を見つけて街のある方へ走って行ったのである。
そして太陽も傾いて来た頃、シンは野営が出来る場所を探しながら歩いていたのであった。
「ここなら野営も出来そうだし、魔物が来ても対処出来るかな。」
シンは野営出来そうな場所を見つけて、近くにある森の枯れ枝を集めて火を起こす準備をするのである。
「枯れ枝は、これくらいで良いかな。あとは、寝る場所は何処にしようか?」
キョロキョロと周りの木を見ながら、シンは周りの木より少し大きな幹の一つの木に目を止めた。
「あの木は周りの木より少し丈夫そうだし、枝も太いから僕一人くらいなら折れそうにないかな。
一度確認してから決めよう。」
シンは丈夫そうな木に登り、一番太い枝を確認したのであった。
「うん。
僕が乗っても殆どしならないし、大丈夫そうだ。
今日はここで寝て、明日出発しよう。」
シンは枝を飛び降りると枯れ枝を集めた場所へと戻ったのであった。
「母さんに教えて貰った魔法に、確か薪に火を着ける魔法があったはず。
え〜と、確か種火だったっけ?」
シンは豊穣神から教えられた魔法の一つを、思い出そうとするのであった。
「シンくん、魔法はこの様に使うのよ。
きちんと見ていてね。」
「うん!」
豊穣神はシンに色々な魔法を使い観せていたが、シンは神界で魔力操作しかしていなかった為に魔法を使う機会が無かったのである。
「母さん魔力操作しかやらせてくれなかったから、魔法の使い方が分からないな〜?」
「魔法適性は全属性有るから、出来ない事は無いと思うけども。」
「何かリュックの中に、魔法に関する物が入っていないか確かめてみよう。」
シンはリュックの中を漁りながら、魔法に関する物がないか探したのであった。
「あれ?
こんな場所にポケットがあった。
何か入っているかな?」
シンはリュックを調べていたら、背中にポケットがあったのであった。
そして背中のポケットを調べてみたら、ポケットの中から本が出て来たのである。
「背中のポケットから本が出て来たよ。
表紙には、初級魔法書と書いている。」
「どんな魔法が書いてあるのかな?」
シンは本を捲り、1ページめに書かれていた目次を見たのであった。
「え〜と。
生活魔法・火魔法・水魔法・風魔法・土魔法・光魔法・闇魔法の順で書かれている。」
「火を着けたいから、生活魔法か火魔法かな。
先ずは、生活魔法を読んでみよう。」
こうしてシンは、まだ太陽が沈む前に魔法の本を読み出したのであった。
シンの所持金
金貨100枚
銀貨100枚
銅貨100枚