愛とか、恋とか、君だとか。2話
第2話です!
怖い、怖い夢を見たような気がした。
大切なものが無くなるような。
そんな感じ。
大切なものなんて、どこにも無いのに。
「おはよう!」
最悪の朝だ。
ただでさえ目覚めが悪かったというのに。
君の大きな声で、脳内が酔う感覚に陥る。
ひとまず、無視。
「おーい、あなたに言ってるんだけど?」
君は、顔に感情を出しすぎる癖がある。
今回のは、不満。
「君は朝から元気でなによりだね。」
君の顔が、喜びに変わる。
返事を貰えたからだろうか。
「今日は昼から雨らしいよ。傘、持ってきた?」
「持ってきたよ。」
「実は私、忘れちゃったんだぁ。」
「あ、そう。」
「あなた、今日はいつにも増して元気が無いみたいね。」
今度のは、心配。
極力、見つからないように生きている。
それでも、今日も、君は見つける。
「目覚めが悪かったんだ。」
「悪い夢でもみたの?」
「まぁ、そんなところ。」
「どんな夢?」
「何か、とても大切なものを失くしてしまったような、そんな夢。」
大切なものなんて、一つも無いのに。
「へぇ。大切なものって?」
「分からない。そもそも、大切なものなんて無い。」
自分のことは、極力世界に見つからないように、広まらないように生きている。
それなのに、君には少し、漏らしてしまう。
「ほんとにないの?」
「無いよ。そもそも、大切なものに抱く気持ちがよく分からない。」
「失くしたら悲しい。とか、寂しい。とか、そうゆうの、ないの?」
「別に。そもそも何かに抱く感情すらも無いのかもしれない。」
「じゃあー、私がさ、あなたのこと、好きって言ったらどう感じる?」
「んー、何とも思わないかな。少し申し訳ないとは、思う、かも。」
君は笑う。
「ひとまず、感情はあるみたいだね。」
嬉しそうに、まだ、君は笑っている。
「どうゆうこと?」
「少なくとも、私に対して申し訳ないって感情は抱いてる。」
たしかに。感情はあるみたいだ。
「そうだね。だけどそれだけだよ。面白味も何も無い。」
「それで十分だよ。あとさ、どうして申し訳ないって思ったの?」
君は、ようやく落ち着いたようで、微笑んでいる。
「だってさ、仮にも君が好意を寄せてくれているとして、それに明確な答えを出せないから。」
君といると、自然と口数が多くなる。
また、そんな自分が、嫌になる。
「やっぱり君は、優しいんだね。」
始業の鐘が鳴る。
君は、そそくさと自席へ戻る。
“優しい”?
分からない。
今日の授業は、退屈しないで済むようだ。
どうでしたか?
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