2.01 心の中の宇宙
私はクサヨシとトケイソウで作った自作の煙草を喫煙した。やはり、クサヨシが一面に茂っている多摩川の河川敷を散歩している感覚と似たアヤワスカの初期症状である視界がぼやけ眼閃が目を開けていても見えるようになった。アヤワスカの体験記ではこの幾何学模様の次に植物、動物、幻想的な建築物や都市、ヘビ、ジャガーなどのネコ科動物、裸の黒人女性、南米先住民のシャーマンは アヤワスカの幻覚効果を通じて、はるか彼方の惑星を見たり、遠方に住む親戚の健康状態を知ったり、紛失した物の在処や、配偶者の浮気相手、患者を病気にした呪術師の身元をつきとめたりする、らしい。その為には目を閉じる必要があるので、目を閉じて瞑想した。そして、脳の松果体に向かって腸や脳髄、視神経、感覚神経、様々な臓器の情報及び細胞が移動して集合していき肉体の感覚が収縮していくような、自己の肉体が既に自分の肉体でないような感覚があり、全ての感覚が松果体、もしくは一つの点へ集中し、外界の情報を入手する五つの感覚は機能せず私は外界を認識できなくなっていた。暫くの間、無我の境地と言い得る煩悩が消え去った状態に入った後、過去の記憶が一斉に想起された。それらの情報は私の人生が非常に交絡しているが因果律に基づき、善も悪も全て素粒子の情報{位置座標と移動の向きと速度}が精密に高度に相互作用しているだけの物理的に予定され決定されていた物理学的原理、例えるなら宇宙に浮かぶ星々が描く模様を立体的にしてさらに時間とともに変化するような神々しく織り成す神秘的な、それでいて不確定性原理及び量子力学さえ自然哲学の数学的諸原理に当てはまる宇宙規模の素粒子物理学的法則の知性的完成物は自分の体験した事であったので過去は美化されるのは事実かもしれない。記憶していた情報だけでなく思い出せない情報や過去の夢の情報さえ想起された。それらの情報は私を恍惚の念を抱かせるに十分なものであった。人生において体験した様々な情報、その中でも夢の情報が特に明晰夢が最も恍惚の念を抱かせるのだ。たった今、明晰夢の中の一つ情報を入手していたがどうやら現存在が明晰夢の内容にに干渉しているらしいぞ!?