6. 老化
現象論では、私は老化を下記の様に現象付ける、というより解釈する。老化とは、末端複製問題に伴うテロメア短縮による老化細胞発生と、それに起因する細胞老化随伴分泌現象による細胞組織の機能低下である、と。
方法論では、私は老化を下記の様に方法付ける、というより空想する。老化は、老化細胞の発現を無にすることで克服される、と。
現象論を詳述すると、例えば細胞組織の機能低下による病気であれば、動脈硬化による心筋梗塞や脳卒中・免疫力低下による癌・認知症などは説明できるかもしれない。動脈硬化が起きる原因は細胞組織の機能低下、ここでいう血管の伸縮性の低下や肝臓におけるコレステロールの処理力低下によって血管壁が厚くなってしまうことが原因となる。免疫力低下による癌も同じようなものである、学説によっては人の体で一日に5000個ほど癌は発生しているが免疫によって大部分は排除されているらしいので先天的な小児がんとは違い、老化による免疫力低下が高齢期の癌の原因の一つになっている。認知症においてはアルツハイマー病の治療薬でレカネマブがあるが、これは原因物質の神経細胞の有毒性の代謝物質アミロイドβを分解する作用がある。アミロイドβは神経細胞の代謝物質であるため、年齢に関係なく生成されているが、血管壁を伝って臓器で分解されるので脳に蓄積されることはないが、老化によって血管壁の輸送機能が低下すると蓄積され毒として脳に障害を与える。つまり、レカネマブの投薬ではアミロイドβしか分解しないので一時的な治療でしかなく、アミロイドβの蓄積はアルツハイマー病の原因ではなくその症状といってよい。そして、これらの現象を総じて、老化は、老化細胞の発現を無にすることで克服される、という方法論に繋がる。
方法論を詳述すると、末端複製問題の克服か老化細胞除去の二通りがある。末端複製問題の克服はテロメラーゼを活性することで得られ、老化細胞除去は老化細胞除去ワクチンの投与で得られる。しかし、老化細胞除去ではアルツハイマー病の治療薬レカネマブ同様、一時的な治療に過ぎず、老化細胞の発生は老化の原因ではなくその症状といってよい。末端複製問題が老化の本質で第一原因なのだ。老化細胞除去が一時的な治療と言えるのは、老化細胞が周囲の細胞分裂を抑制させヘイフリック限界までの時間を稼いでいるので、老化細胞を除去すると返って細胞分裂が促進され寿命を縮めてしまうのではないか。




