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様々な世界・世界の詩

弱者の世界

作者: リィズ・ブランディシュカ



 とても小さくもろい場所。


 おそらく長くは続かないだろう場所。


 その世界は弱者ばかりが活きる世界だった。


 住人たちは皆、非力だったり病弱だったりした。


 そして、彼等の寿命は長くなくて、健康でないものが圧倒的に多かった。


 そんな弱者の世界に、一人の強者がやってきた。


 どこからともなくやってきた強者は、王様を名乗り。


 その世界の統治を始めた。


 しかし強い王様には、皆の気持ちが分からない。


 弱者と言われている者達が何に悩み、何を問題としているのか分からない。


 だから、王様はすぐに王様ではなくなった。





 月日が流れて、その世界に再び人がやって来た。


 その人間は弱者だった。


 だから、その世界の住人たちの人間の事がよく分かった。


 統治をおこなえば、成功し、住人達によい事づくめだった。


 けれど、その王様は実は弱いふりをしているだけの強者だった。


 その強者は、弱者を観察し、弱者からアドバイスをうけて、統治をおこなっていただけだった。


 その王様は、弱者はいなくなるべきだと考えて、殲滅しようとする。


 住民達が油断したすきをついて、皆を一人ずつ消していったのだった。


 しかしそこに、いなくなった先代の王様がやってきた。


 先代の王様は強くて、一人でも生きられる。


 だから弱者の気持ちは分からない。


 けれど、弱者とされる人達がいなくなっては良いとは思わなかった。


 だから二人の王様は戦った。


 強い者どうし、片方が自分の為に、片方は他人の為に。


 弱者の世界の住人達は、最初の王様の味方に付いた。


 他人の為に頑張る、弱者の味方になってくれた王様の方に。


 やがて決着がつき、最初の王様が生き残った。


 その後、住民達は最初の王様に向けて、再び王様になってほしいと願った。


 強い人は、弱者の気持ちは分からないだろうけれど、それは教えれば済む事だから。


 自分達を守り、一緒に戦ってくれた人に王様になってほしいと思ったのだった。





 それから弱者の世界は、強い王様が統治していった。


 たまに困った事が起きるものの、人々と王様は助け合い、乗り越えていった。


 そのため、短くとも幸せな日々が続いた。





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