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4.もう手を抜くのはやめよう

今回の後書きから、光が登場です!

 更衣室に入るとクラスの男子たちに囲まれた。・・・澪たちのことだよな。


「おい、七瀬。おまえ、前から"聖女様"と仲良くしていたが、手を出さなかったから俺たちは強く言えなかった。だが、今朝のはなんだ?あれは看過できん。"聖女様"から手を引け!!」


 せいじょさま?せい・・・あっ、そういえば、澪は"聖女様"って呼ばれてたな。


「わかった。俺からは澪に話しかけないし、俺も澪と関わらないように気を付ける。」

「"女王様"にも関わんな!!」


 じょうおうさま?いやいや、そんなのきいたことないぞ!?


「あぁ、女王様って呼んでるのは一部の男子だけだからわからんか。北条様のことだ!」


 北条さん・・・皐月か。


「わかった。皐月にも関わらないようにする。」

「やけに素直だな?何を企んでんだよ!」

「わかると思うが、俺はあいつらとは釣り合わない。だから、手を引こうと思ったんだ。」

「そういうことかよ。男に二言はないだろ?」

「当たり前だ。」

「じゃあ、今回はこれだけにしてやる。おい!お前ら、行くぞ!」

「「「「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」」」」


 離れようとしてるんだから脅さなくていいんだぞ!・・・毎度のことだが。




「予告したとおり、今日は体力テストをやるぞ~!」

「俺、50m走苦手なんだよなぁ。」

「お前、体重重すぎるだけだろ?何キロあんだよ。」

「今朝測ったら75㎏だったわ。」

「お前、中一だろ!?」

「・・・俺、柔道部入るから。」

「ぶははははっ!お前に合ってるわ!」

「だろ?」


 よくあそこから笑いに持っていけるな。笑っちゃったじゃないか。まあでも、自虐ネタを使えるって結構勇気いるよな。


「吉村、お前は痩せようとは思わないのか。」

「先生、ポジティブシンキングです!」

「はぁ・・・。とにかく、四人ずつ走れ。俺はゴールのところで計測やるから体育係・・・やっぱ吉村でいいわ。旗頼む。」

「はーい!」


 先生も先生で吉村をいじるって・・・。まあ、吉村が悲しんでないから別にいいが。


「じゃあ、1番から順番に走れよ~!」


 俺は七瀬だからめちゃくちゃ後なんだよなぁ。な、なのに26番とか。31人しかこのクラスいないんだぞ?


「幸太!ボクも一緒に走るからね!」


 ・・・そうだった。光の名字は日野。出席番号が近くて当然だ。


「よろしくな。」

「うん!あっ、お願いがあるんだけど。」

「何だ?」

「今年は全力でやって欲しい。」

「え?」

「今まで手を抜いていたでしょ?今年は本気でやって欲しいの。」


 マジか。バレてたなんて。光たちと一緒にいるから目立つのは当然だが俺が目立つと、なぜか、周りが騒がしくなる。だから、バレないように本気を出さないようにしていたんだけどバレてるなんて。


「絶対バレてないって思ってたでしょ。気づいてるの、ボクだけじゃないからね?」


 ・・・つらっ!俺、イタいやつじゃん!・・・悲しくなってきたからもう本気出すわ。


「あっ、そろそろ並ばないと。」

「そうだな。」

「幸太って去年は何秒だったの?」

「確か・・・8.2だな。」

「本気だと?」

「・・・ノーコメントで。」

「ふふっ。・・・幸太ってほんと、かっこいいよね。」

「なんか言ったか?」

「ん~ん?なにも?」

「そうか。ならいいんだが。」


 そんな会話をしていると、俺たちの番が来た。うちの学校は、3クラス合同で体育をやるから、4組26番の光、あと、6組26番の福田信司っていう、本好きの人3人で走る。頑張らなきゃな。


「いちについて、よーい。」


 パサッ!

 旗の音が聞こえる。俺は耳がいい方だし、最初もいい感じに決まったから、後は走るだけだ。どうでもいいが、旗担当は吉村をからかった飯田に変わっていた。


「なっ!?七瀬ってあんな速かったか!?」

「嘘だろ!?」

「俺よりも速い!」

「バッカ、お前は12.4なんだからお前より速いのは当たり前だろ!?」

「そういうとこは気にしねぇーんだよ!」


 ・・・吉村、ドンマイ。確か、体力テストの2点って、10秒以内だったよな。1点か。


「七瀬、お前、速いな!6.2だ!」

「いえいえ、そんなことないと思いますよ?」

「いやいや、幸太は十分速いから。あと、大抵の人は、これで息切れてるからね?」


 確かに、信司も息切れてる。


「まあ、本気でも体力でかいからな。」

「何言ってるの?()()()()()()()()()()()でしょ?」

「「はぁ!?」」


 やっば、バレてる。()()()()()()()()()()と思ったんだけど。


「次は本気で走ってよね!!」

「わかった。」

「七瀬君、何者なの?小学校のとき、そんなに速くなかったよね?」

「さぁな?」


 結局、本気を出したら、5.1だった。みんなに、コイツやべぇっていう目で見られた。というか、実際に言われた。ひどくない!?・・・そういえば、光と普通に話してしまった。

光 「幸太の本気、やっぱすごかったよ~!」

澪 「どうすごかったの!?」

光 「澪!?勢い抑えて!」

皐月「気になる。幸太はなにをしたの?」

楓 「50m走だったんだよね?」

光 「そっか、みんな別だから知らないのか。しかも2階だしね。幸太が、50m走で5.1秒の記録を出した。」

皐月「幸太・・・そこまですごかったなんて。」

澪 「ハイスペック過ぎる・・・。」

楓 「ところでさ、なんでここに幸太と優大がいないの?」

皐月「女子会だからでしょ?」

澪 「あれ、光って男子じゃ・・・?」

光 「幸太ガチ恋メンバーってことで。」

皐月「光もベタ惚れよねぇ。」

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