2.俺の幼なじみは優しすぎる
これから後書きに優大と楓が登場します。
高評価、よろしくお願いします。
月曜日、俺は一人で登校した。当たり前だ。距離を取るのだから。少しさみしいが、しかたのないことだ。
「幸太~!なんで急に一人で登校するなんて言い出したんだ?」
「優大か。いや、朝みんなで話すよりも、ほかのことをしたいと思って、今日はワークをやっていたんだ。」
「それって、いまじゃないとダメか?まぁ、幸太がそうしたいなら別にいいけどそうなら、俺たちも時間ずらすぞ?」
「いや、いい。一人で静かに勉強したいんだ。」
嘘だ。本当は、今まで通り、みんなと勉強したい。でも、そうすると、みんなに迷惑が掛かっちゃうからな。仕方ない。
「わかった。でも、あいつらにフォローしとけよ?今朝は不機嫌でヤバかったんだからな・・・。」
「不機嫌?」
「ああ。・・・そういえば幸太は・・・なんだったな。だったら・・・のしかたをまち・・・ないな。」
「すまん。全然聞こえない。」
「い、いや、何でもない。じゃあな。」
「ああ。あっ、あと、これから、俺と話さなくていいぞ?」
「は?どういうことだよ。」
「いや、そのまんまだ。無理して俺と話さなくていいってことだ。ほら、あっちにいる人とか、優大と話したそうにしてるぞ?」
「いやいや、それは関係ないだろ?話さなくなるとか、ないから。じゃあな。」
「あ、ああ。」
どうしたんだろう。優大が俺と話さなくなれば、もっとみんなからいい目で見られるはずだ。陰キャな俺と関わっていても評価が下がるだけだと思うんだけどなぁ。でも、一緒にいてくれるって言われるのはうれしいなぁ。
「こ・う・た?」
あれ、なんか、すごく低い声が。背筋が凍ってこのままじゃ全身が凍りそうなんだが。
「き・こ・え・て・る・よ・ね?」
ききききき、キコエナイナァ。ナンノコトカナァ。
「反応しないなら・・・襲うよ?」
ギャアアアアアアアア!待って、襲われるの?殺されるの?ああ、母さん、父さん、友梨花、いままでありがとう。いい人生だったよ。
「もうっ!反応してくれないから襲っちゃうからね!」
ギュッ!
ん?ギュッ?え?なんで俺、楓に抱きつかれてるの?おかしくね?
「楓、落ち着け。ここは学校だ。」
「知ってるよ!」
「ならなんでこんなことを?」
「幸太が一緒に登校してくれないのが悪い。」
「いやいや、俺はみん・・・じゃなくて、一人で勉強に集中したくてだな!」
「えっ・・・?も、もしかして、今まで、幸太の邪魔になってたの・・・?」
「ち、違う!ただ、教室での一人の時間を過ごしたいだけだ!いつもと違う感じにも慣れないとだからな!!」
「ふ~ん。私も明日から早くに登校しようかな。明日は一緒に登校しようね!」
「・・・寝坊するかもしれないから無理だ。ごめん。」
俺なんかと一緒にいてはいけないのだ。楓が本来より低く評価されてしまう。その場の雰囲気とかも、十分大事だからな。
「そう。じゃあ、仕方ない。これから、少し?過剰なスキンシップを取ることにするから。覚悟しててね♡」
なんでそうなった?
もう一度言おう。・・・なんでそうなった?
「幸太が一緒にいてくれないからだからね?じゃあ、私のクラスは上だから。じゃあね!」
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
なんでそうなった?
優大「今日の幸太、なんかおかしくなかったか?」
楓 「うん、絶対おかしい。こうなったら、色仕掛けするしかないと思っていろいろやってる。」
優大「俺も大概だけど、楓は幸太にベタ惚れだよな。」
楓 「え?幸太は譲らないよ?」
優大「はぁ~。そういう言葉は、皐月たちに言えよ。俺は腐ってねーよ。」