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「ごちそうさまです」
「お粗末さまです!」
すごい元気だなぁ、関心しているとお盆ごと下げてくれた。ドタドタと階段をおりる音が聞こえる。すぐ壊れそうと思ってしまった。
食事中聞いたのだが、私はこのボロアパートと思っていたが実は宿屋で、その前に倒れていたらしい。そこを彼女、リナが助けてくれたそうだ。ここで働いているらしい。
机がなく床で食べていたのでそのままベッドにもたれかかると、またドタドタ聞こえてきた。
「着替え持ってきましたー!」
丁寧にたたんだ服を片手にりなが入ってきた。
「私と同じワンピースでいいですか?」
「うん、いいよ。ありがとうリナさん」
「いえいえ」
そう言ってまた出ていった。私は着替えてベッドに寝転がった。
何が起こっているのか分からないが、今日は泊めさせて貰えそうだからゆっくりしよう。そう思っていたらすぐ眠気が来て寝てしまった。そういえば死んだ時夕方だったから気がするから寝る時間と判断したのだろう。
ワンピースきついなぁと思いながら一日を終えた。
***
いつもなら鳴る目覚まし時計の音も、親が仕事に行く用意をする音も、鳥の鳴き声も聞こえず木の隙間から漏れる光で目を覚ました。ぐーっと寝ながら伸びをし、なぜかすーすーする下半身に布団をかけ、もう1回寝ようとした。
だが、そうにも行かずドタドタと階段の音が聞こえる。
そういえば家じゃないんだ。昨日のことを思い出し、目をぱちくり開ける。
「おはようございます!」
勢いよく開ける彼女の名前はたしか―――
「おはよう。ルナさん」
この子におはようと起こしてもらえるなんてこの子のこと好きな男に恨まれそうだな。いや、こんなに可愛かったら彼氏いるか?なんて考えているとルナが私のほっぺをつまんで怒りっぽい顔で言う。
「リナ、です」
違ったらしい。
「それより下で朝ごはん食べましょ? できてますよ」
はいっ、と手を差し出されたからつられて手を出したらぐっと引っ張られた。足の布団もとれ、よいしょと立ち上がって見るとリナはやけに嬉しそうに微笑んでいた。
「どしたん?」
「いやぁ、おそろいだなぁって」
指を足の方にさしてきたので見るとパンツが見れるくらい足が出ていた。昨日貸してもらった着替えがきついとは思っていたが、身長も私の方が高いのでリナより露出が激しい。本人はと見ると膝近くまで隠れていた。
2人だけだが恥ずかしくなって下に下にと服を引っ張ってみるも変わりはない。
するとリナはじーっと彼女の目線の先にある私の胸、人並みにあると思っているがリナは言わずもがな。
「アオイさん、なかなかでかいですね」
羨ましそうに聞くのが可愛くて少し百合にでも目覚めそうだった。