16
布団をマントのように体に纏わせて移動するしか方法がなかったので、人目を気にしつつ自室に戻る。
ハンガーにかけてあるスカートと服をとってベッドの下から下着を取り、急いで着る。少しでも働かないと働かせて貰ってる身としては申し訳がない。
「急げ急げー」
部屋の中は放ったらかしで階段を下る。
午後からだから食事、片付け、風呂掃除が主だ。
テーブルでわいわいと騒いでいる客に「こんにちわ〜」と愛想良く挨拶して厨房へ行く。
「あ、アオイ!」
エプロンをかけフライパンを振っているリナがいた。中華並みの火でもお構い無しに料理するのだ。
「これ運んで。あとオーダーお願い、奥のテーブル」
「はい!」
リナは仕事になると結構人が変わる。経験もあるが何でもいいよ器用にこなすし、人を使うのも上手い。
リナに言われた仕事をし、その後も支持されるがまま働いた。
***
風呂の掃除が終わったら1番風呂が入れる。なぜなら次の仕事は夜、全部屋の掃除をするだけなのでそれまではフリー。
もちろん終わったあとにもう一度入るが。
お湯を入れてる間に体を洗う。汗もかいたし。リナとの…で。
シャンプーの隣のトリートメントを見てリナと買い物に行く約束を思い出す。
「そういえばトリートメントと洗顔買うんだったー」
朝早くに行くとかかと思ったが、朝はお取り込み中だったのですっかり忘れていた。
「いっちばーん!」
噂をすればなんちゃらでリナが素っ裸で入ってきた。
タオルで隠すとかせぇ。
「あれ、アオイいる」
「私が掃除したから1番は私だよ」
「でもお風呂まだ湧いてないからわかんないでしょー!」
そういうもんかと呆れつつシャンプーを2プッシュする。
「洗ったげよー」
「いいよ、またなんかされる」
「しないーよー」
ほらほらーと流れるように手の液体をぬぐい取り少し足して髪に飲み込み始めた。案外上手だ。
「そういえば買い物行くの忘れてたね」
「あー! 忘れてた! 行こう、今から」
「え、今から!?」
「許可とってくるね」
また置き去りにされ手の泡だけ洗い裸で出ていった。
ずっとリナのターンのようだ。
髪だけ流しタオルを巻いてお風呂から出ると水の足跡が床にいくつか残っていた。足跡の方へ行くと裸でオーナーと交渉するリナがいた。幸い周りに誰もいない。
するとリナはこちらに気づき手を振る。
「アオイ! 行けるって!」
手の動きと小さい胸の動きが連動している。
見とれていると手をぎゅっと捕まれ外へ促される。
「待て待て待て裸、裸ー!」
痴女なのか、恥がないのか…。
結局脱衣所に残った服を着て外に出た。2人とも同じ下着をつけたくないということで下着は付けなかった。




