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  作者: 雪
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ここの風呂は昔この近くで住んでた人が源泉を掘り当て、その後この宿屋の1代目オーナーが土地を買って大浴場にしたので結構有名なお風呂だ。だがこの辺りは男だらけで女性はあまり来ないため 、このように貸切に近い状態になることも多々ある。


3人横並びでシャワーを占領し特に話すことなく無言の状態が続いた。リナと2人だったらこんなはずじゃなかったかもしれない。


先にシャワーを浴びていたイオは髪をタオルでターバンのように巻き、堂々と、ファッションモデルのように姿勢よく歩き風呂へ向かう。バスタオルで隠さないところが体に自信があるのか気にしてないのかわからなかったが羨ましい体だった。


私はシャンプーを手に取り泡立て、濡らした髪のてっぺんから洗っていく。


「あ、アオイ髪洗ったげよか?」


「ん、じゃあお願いー」


リナは少しだけシャンプーを足し手で揉み込むように洗っていく。「同じ髪型だから洗いやすい」なんて笑いながら言ってボディソープにも手を伸ばす。


「体も洗うよ〜」


「前はいいからね」


「まぁまぁそう言わず」


脇から手を送り込まれ乳腺に沿うようにフェザータッチをする。


「ひゃあっ!」


女を知り尽くしたような手つきで弱い所を触られたので声が漏れてしまう。何かを察したイオは「お先失礼するわね〜。お楽しみ〜」と去ってしまった。


そんなイオを横目で見る余裕もなくなってきて体が脱力してきてリナにもたれ掛かる。顔が紅潮しているのが自分でもわかる。


「触りたいの? アオイも」


「なわけ」


「じゃあずっと私のターン!」


この後めちゃくちゃ乳揉まれた。


***


「ふぅ、疲れ取れるね〜」


「うん。もうリナとは風呂はいらん」


「なんでよーごめんてー」


相変わらず貸切の風呂なので声が響く。


「そういえばイオさんもう出たんだ」


「リナが発情してる時に出たよ」


「発情はしてないけどさぁ」


肩まで浸かり毛先が水面に浮くのを見る。少し青みがかった髪、イオはなぜこの色にしたのだろう。名前がアオイだからかな。


トンと肩にリナの頭が当たる。綺麗な灰色の髪が当たる。


「普通の家族って一緒にお風呂はいったりするんだよね。こんなふうにもたれかかったり。洗いっこしたり」


「横向きではもたれかからないけど足の間に入ってとかならしたよ」


まるで王族のように膝を肘掛けとして扱い柔らかい体にもたれ掛かるのは仲良かった時よくやった。


「アオイ、いい?」


「え? なにが」


「足の間…」


「あ、うん…」


無言で足を開く。なんか恥ずかしいなこれ。大っぴらになったアオイの体に目もくれず背中を預けてくる。


「いいねこれ」


「でしょ?」


「うん…」


少ししか首を回さないので分からないが、頷く時目を水が伝っていった。涙か濡れた髪から垂れたのか分からないがそこから先は何も無かった。





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