第5話 私の前世は兎なのかも知れない でも認めない
凄く晴れた暑い日でした。
翌日は高原レタスの収穫からだった。
早朝から10時まで黙々と収穫をするのは、昨日と同じ。
レタスを根本から切り、その後 その切り口を水で洗い流す。
黙々と収穫を続け、10時になった。
お茶の時間だ。
その時 「お昼から一緒に移動しよう」と農家の主に言われた。
お茶の時間が済むと、また黙々とレタスの収穫。
お昼になった。
準備してくれたご飯を食べる。
食べて休憩をしたら、トラックに乗って移動した。
グリーンボールと言う、キャベツによく似た野菜の畑だ。
収穫の手順をきいた。
こちらは根本を切り離したら、ダンボールに詰めるそうだ。
黙々とまた収穫をする。
畑の近くの道を、高齢なおじいさんが歩いて行く。
黙々とグリーンボールを収穫する。
畑の近くの道を、高齢なおじいさんが歩いて行く。
黙々とグリーンボールを収穫する。
畑の近くの道を、一度目二度目と“同じ”高齢なおじいさんが歩いて行く。
黙々と…黙々とグリーンボールを収穫する。
畑の近くの道を、“同じ方向”から来た一度目二度目三度目と“同じ”高齢なおじいさんが歩いて行く。
黙々とグリーンボールを収穫する。
周囲はだだっ広い見晴らしの良い高原野菜の畑だけ。
歩いて来たおじいさんが、歩いて行った先で、視界から消えると、逆の方向から、“同じ姿”のおじいさんが歩いて来る。
気にしない。
世の中 三人は自分にそっくりな人が居るって話だから、同じ顔の同じ姿の高齢なおじいさんが、三人居てもおかしくは無い。
これで四度目だけど、そっくりな姿のおじいさんが、たまたま四人 近くに住んでいたのだろう。
黙々とグリーンボールを収穫する。
また“同じ姿”のおじいさんが歩いて来た。
黙々とグリーンボールを収穫する。
一度目のおじいさんが、一周して来たのかも知れない。
黙々とグリーンボールを収穫する。
姿が見えなくなると、また“同じ姿”のおじいさんが歩いて来た。
やはり、狭い地域だと、親類縁者ばかりなのだろうなぁ……
キャベツの大好きな私は、キャベツそっくりなグリーンボールを食べたくて食べたくて……
その欲求を抑える方が大事だった。
そう言えば、昔 父親に「お前はうさぎかっ!」と言われたなぁ……
野菜が大好きで、特に好きなキャベツを、母親に大きなボウル一杯に千切りにして貰って、ムシャムシャと抱えて食べていたら言われた。
“同じ姿”の高齢なおじいさんが、またやってくる。
キャベツ 美味しいですよね。
生のキャベツも大好きですが、加熱したキャベツも大好きです。
アブラナ科の野菜って、どうしてこんなに美味しいのでしょうか?
ロールキャベツとか、死にそうな程に美味いですよね。