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第8話 意思疎通

アリスは、その小さい指で色々な絵をスラスラとかいていく。家、猫、天使、馬、蟹、月、兎、時計、などなど…。何かを伝えようとしているように見えなくもないが、如何せん察しが悪いので、かわいい、以外の感想が浮かんでこない。絵が、ではなくアリスが、だが。


よぉし、私も負けていられない!と[水操作]で血を動かし、前世で好きだったキャラクターや風景、食べ物の絵なんかをかいていった。…おお、喜んでくれているようでよかった。


しばらく2人でお絵描きを楽しんでいると、アリスのお腹がぐぅぅとなった。顔を赤らめ恥ずかしがった表情もかわいい…と思う間もなく、おもむろに懐からナイフを取り出し、狼を手際よく捌いていった。血や内臓にも全く臆さずウキウキと捌いている様子は、ギャップ萌えとか言っている場合ではない。うぇぇ。私にはグロ耐性がないんだよ…。


[耐性スキル: 恐怖耐性の獲得に挑戦…失敗しました。経験が基準値に達していません。]


嘘でしょ!?だってお人形さんみたいな子が急にテキパキ内臓取り出し始めたんだよ!?結構な恐怖体験だったと思うんだけどなぁ。


おっと、地獄のような解体ショーは終わったみたいだ。綺麗に肉と骨と毛皮が並んでいる。あ、この血と内臓は捨てるの?分かった、それは私がやるよ。それくらいしか出来ないし…。

というわけで[ポルターガイスト]を使って小屋の外まで生ゴミを運ぶ。こんなもの、どこに捨てたらいいんだよ…。適当に、桜の種の下でいいかな。せめて養分になることを祈って。


ふう。ひと仕事完了!

アリスの方はというと、私がちんたら生ゴミを運んでいる間に、外に探索に出て、木の実や山菜を摘み、そしてもう帰ってきている。うーん、有能!仕事が早い!というわけで。



アリスの、3分クッキング!さあ今週もやって参りました、実況は、助手の小屋でお送りします。

まず、お肉に木の棒を刺します。次に、火魔法を唱えます。焼きます。そして、拾ってきた木の実と持っていた塩をかけます。完成です。

うーん、豪快!仕事が早い!

ガッツリ男飯!どころの騒ぎじゃない。こんなに野性味溢れる料理、生まれて初めてだ。でも、すごく美味しそう。思わずヨダレが垂れてきてしまいそうだ。口があったら、の話だが。


アリスはひとしきり食べると、片付けも早々に小屋の中央で床に直接横になり、フガフガと寝息を立てながら寝てしまった。結構マイペースなようだ。

それにしても、この子のサバイバル力はどこで身につけたのたろうか。見た目で判断するのはいけない、とは分かっているが、しかし、とてもじゃないがそういった環境で育ったようには見えないのだ。


衣服はあちこち破れ汚れててボロボロになってはいるが、布自体上等なものであるし、装飾もなかなか凝っている。体つきだって、それほど華奢という訳では無いが、魔物もいる森で1人生き延びるには頼りなさすぎる。ふとした時に、礼儀の良さが見受けられる所もだ。胸元で光る青い宝石のペンダントだって、素人目から見ても頭一つ抜きん出た逸品だ、ということが感じられる。


何か、あったのだろうか。聞いてみたい気もするし、聞きたくない様な気もする。どちらにせよ、言葉を交わせない私には、ただ、安心できる住を提供することしか出来ないのだ。

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