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はじめに
顔が全てでは無いという言葉は真実であり、嘘である。
美しく生まれた女性に対して“イージーモード”とその人生を揶揄する人がいるが、それははっきり言って僻みでしかない。
事実、見た目麗しい方が得をすることが多いが、その反面一般的な人には考えが及ばぬ悪意も浴びるのだ。
逆に醜い容姿の人に関することは、言うまでもないだろう。
どんなに明るく振舞おうが、瞳に鬱屈を宿そうが結局のところ第三者の手によってそのどちらも意味のないものに変わるのだ。
明るいブスも暗い美人も、明るい美人も暗いブスも、全てただの結果論なのである。私はそう思う。
この物語は、全くそれとは違う話。
美しさが何より尊ばれる世界の話。
醜さに悪意を背負わせる世界の話。
この世界と美醜の概念が逆転している世界の話。