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あいつの日常

作者: M(みゅー)
掲載日:2017/01/22

こいつの名前は下神楓佳しもがみふうか。どこにでもいる女子高生ってやつか?

 成績も中の上だし、運動神経も平凡。帰宅部のこいつにゃ、友達も少ない。帰っても飯食って風呂入って、テレビ見て、足元でにゃーにゃー鳴く相棒をあやして、それで布団に入るって生活の繰り返し。特にドラマティックなこともありゃしない。ときどき、あいつの足元にいる相棒が俺のこと威嚇するんだが、こいつはしつけがなってないな。


 ある日の朝、俺は楓佳が学校に行く様子を後ろからついて見守ってみた。電車に乗って、その後は徒歩か。イヤホンでお気に入りの音楽を聴きながら歩いていく。

 ん?俺の特有の勘が嫌なものの存在を告げている。前方か。俺はあいつの横をすり抜け、全力で走っていく。通学路にあるごみ収集所に、ネズミが集っていた。これはまずい。楓佳はネズミが大の苦手だ。こんなところで遭遇したら、学校に行く気など失せるだろうな。そうして帰ってきて俺と一緒にごろごろしてくれたら…なんて考えてふと、自分が死んでいることを思い出すんだ。

 ネズミどもは自分の気配を感じて、早々に退散した。こうしてまた一つ、あいつの周りで起こりそうな事件を解決したわけだ。


最終的に、思うんだ。

俺の事、気づいてほしいなぁ。



その日の夜、楓佳はベッドに腰かけながら、何もない虚空を撫でるように手を動かしていた。

「わかってるよ、クロ。今日もありがとう」

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