絶対にばれてはいけないラプレターⅢ
光希は職員室で用事を終らせ、姫月達のいる屋上に向かう途中にチャイムがなり、昼食を取らずに午後の授業を受けることとなった。
(腹減った・・・)
なんて思いつつ、放課後。
「光希先輩、明日の朝も行って良いですか?」
後ろから彩羽が光希の左腕を掴み、聞いてきた。
「明日の朝?別に・・・」
「ダメ!」
光希の右腕に抱きついている、姫月が彩羽を睨み付き、光希の体を姫月のいる右に引き寄せる。
「朝は私が光希君のお世話するって決めてるの!だからダメ!」
「私だって、光希先輩のお世話したいです!」
彩羽も負けずと、光希の体を彩羽のいる左に引き寄せる。
「俺はペットか何かか!?」
そんな光希のツッコミは二人の耳に届かず、光希の取り合いが始まった。
「やっと帰ってこれた・・・」
二人の言い合いは光希の家の前まで続き、しまいには家に泊まるなど言い出した。
「久しぶりにネトゲでもやるかな」
軽く夕食を済ませ、風呂を上がり自室にあるパソコンをつける。
「オトカはやってるかな」
オトカとは中学時代に一緒に狩りをやっていたネトゲ中間。知り合ったきっかけはボスを倒せず止まっていた、オトカを光希が助け、そこから一緒に遊ぶようになった。
「久しぶりにログインしたな」
自分のアカウントを立ち上げ、オトカのオンライン状態を確認する。
「お、やってるな」
オトカにメールを送る。
クロバ:久しぶり、今会える?
このクロバというのが光希のアカウント名。
当時、はまっていた漫画の主人公の名前を丸パクリした。
オトカ:クロバ⁉どこにいるの?すぐに行く!
クロバ:今、始まりの街にいるんだけど
オトカ:了解!
30秒も経たないうちに、オトカがこっちに向かってきた。
クロバ:久しぶりだな、オトカ
オトカ:何してたの?1年ぐらいオンラインにならなかったけど
クロバ:忙しかったんだ、ごめんな
オトカ:ううん、今会えたからそれで充分
クロバ:そうか、それよりクエスト行こうぜ!久しぶりにやりたい!
オトカ:じゃあ、最近出たクエストに行こうか
クロバ:おう!
クエストを受け、街を出る。
クロバ:相変わらずの杖だな
オトカ:クロバこそ魔剣じゃない
クロバ:魔剣は最強なのだ!
くだらない雑談をしながら、クエストの目的地に到着する。
クロバ:この竜か、サポート頼む
オトカ:任せて
光希が前衛を努め、オトカが後衛で光希のサポートをする。これがいつものフォーメーションである。
オトカ:バフを掛けた、クロバ、決めて
クロバ:了解!
オトカの魔法で光希の攻撃力を底上げし、光希の必殺技を放つ。
いっきに体力が減り、竜が倒れる。
クロバ:ナイスアシスト
オトカ:私達は最強
クロバ:それは言い過ぎだろwww
このあとも色んなクエストに行きまくり、時刻は12時を回っていた。
クロバ:そろそろ落ちるわ
オトカ:じゃあ私も
クロバ:今日は楽しかった、ありがとな
オトカ:私も楽しかった、こちらこそ楽しかった、ありがとう
クロバ:おやすみ
オトカ:おやすみなさい
そして、光希はログアウトし、ベッドに入り、就寝した。