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料理の隠し味は愛する人への愛

ことよろです。


「私は望月渚、光希君の大切な人・・・」



「・・・ん?」


 光希は背中に冷たい汗が流れるのを感じ、そしてこの場は凍り付く。

 確かに渚は光希にとって大切な幼馴染ではあるが、その言い方でその少し照れた表情でそのセリフを言うとまた違った捉え方になってしまう、しかも光希の袖をつかんだ状態だと彼女ら三人が黙っているはずがない。

 そんな予感も見事に的中、姫月は強引に光希を自分のほうに引っ張り、思いきり抱きつく。


「光希君は、私の彼氏なんだから、触らないで」


 姫月は他の三人の腕を光希から引きはがし、独占した。


「ちょっ、姫月。息がっ、できない・・・」


 光希は今姫月の胸の中にいてまともに呼吸ができる状態ではない。顔を抑えている姫月の腕を離そうとするが姫月の腕の力は強く、なかなかほどくことができない。

 しかし、やはり胸の中というのは至福なものだった。顔の前にある胸はこれまでにない程の柔らかい感触で、良い香りもする。

 もう少しこのままでも・・・という考えが脳裏をよぎるが解放された後の三人からの視線が痛いだろう、という考えに行きつき、離れようとするがやはりまだ離れられそうにない。


「そ、そろそろ光希先輩から離れてください!」


 三人が抗議を始めた所で姫月はようやく光希を離し、光希は解放された。

 光希が解放された所で光希は、渚手作りのお菓子に視線を送る。


「このクッキー、うまそうだな」


「さっき作ったから、今、食べて?」


 全員がいるこの状況で幼馴染の手作りクッキーを食べればどうなるかわからない。

 

「私、料理はすごく苦手だったんだけど、でも良いお嫁さんになるには料理は必須ってお姉ちゃんが言ってたから頑張ったの、だから・・・」


「渚・・・」


 渚の話を聞いていた所で光希の耳を引っ張る姫月がムスッとした表情でじっと見つめる。


「バカ、ねぇこのクッキー食べてもいい?」


「それ、私も貰っていいですか?」


「私も貰いたい、ライバルの技量を知りたい」


 渚は貰いたいといった三人にクッキーを渡し、三人はそれぞれクッキーを口にした。

 その間に光希もクッキーを取り出し、光希もまた口にした。

 そして四人が口に出した感想は、


「「「「美味しい」」」」


「美味しい?」


 渚は光希達の感想に嬉しさを隠せなかった。

 美味しい、と言ってもらうのはとても嬉しく、それが最愛の彼に言われると何倍も嬉しい。


「すげえうまいよ!」


「良かった・・・やっぱり大事なのは、愛情だね!」


 この言葉が三人の心を燃え上がらせた。


「光希君への愛は彼女である私が一番、だから光希君にもっとおいしいクッキーを今から作る!」


「え・・・?」


 そんなこんなでお菓子作りが幕を開けたのだった。


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