彼女と後輩とゲーム仲間と幼馴染と
姫月と彩羽がメビドラを始めた所で光希と乙香は二人に操作法やチュートリアルを教えながら装備の事など最低限の事を教えた。
ちなみに光希の職業は剣や槍を使ウォーリアーから派生した双竜剣士、乙香は杖や本を使い魔術を繰り出すマジシャンから派生した黒炉術師。
そして姫月は乙香と同様に杖や本などを使う遠距離タイプの職業、乙香は魔法で敵を倒す事が主だが姫月の選んだ職業は味方を癒すワイズマンという職業を選択した。
彩羽は弓を使う攻撃がメインのアーチャーを選択し二人が光希のパーティーに加わった事でかなり安定したパーティーが完成した。
「じゃ、二人がパーティーに入ったことだし、クエストにでも行こうか」
「とりあえずタスクタートルにでも行けばいいんじゃない?」
「だな、じゃあそのクエストでいいか」
光希がそのクエストを受けようとすると彩羽が声を発した。
「光希先輩、このクエストって何ですか?」
彩羽が聞いているのは期間限定のクエスト。今メビドラは異世界系の恋愛ファンタジーアニメとコラボしていて、そのアニメの期間限定クエストなのだ。
クエスト報酬としてそのアニメのキーワードである「共有」により自身のステータスと契約した相手のステータスが一部共有されるというものだった。
「それは私達がやろうとしていた婚約クエスト」
二人は婚約と聞いて目を光らせた。
威圧混じりの視線で婚約?と低い声で呟く。
「い、いや、婚約って言ってもゲーム内だし・・・」
と、光希が少し焦りながら否定していると一階からインターホンが鳴り、光希は席を外した。
「光希君、今家でクッキー作ったんだけど受け取ってくれないかな?」
きれいにラッピングされた小さめの袋に入った良い焦げ色のついたクッキーが10枚ほど入った袋を少し顔を赤くしながら手渡した。
袋を開けていないにも関わらずクッキーの香りが漂う。
渚は料理が上手いと聞いているので、とても楽しみにしていると背後から冷ややかな視線を感じた。
光希はおそるおそる後ろを振り返ると、二階にいたはずの姫月と彩羽、乙香が物凄い視線で睨んでいた。
光希ももちろん睨まれているがクッキーの方が視線を受けていた。
「光希先輩、その女誰ですか?」
彩羽、乙香は渚の事を知らない、今回が初対面だ。それはもちろん渚の方も初対面になる。
「光希君、こんなに仲の良い女の子がいたんだ、そっか、知らなかったな」
渚は少し寂しそうな表情になり、光希の裾を掴んだ。
と、渚が光希の裾を掴んでいるのを三人が気づき反対側の光希の腕を引いた。
「それで、あなたは誰なんですか?」
彩羽が少し低い声音で尋ねた。
「私は望月渚、光希君の大切な人・・・」
「・・・ん?」
誤解の招くような言葉を渚が発し、場が凍り付いた。




