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幼馴染みとの再会Ⅳ


「初めまして、望月渚です、よろしくお願いしますね」


 にっこりとした笑顔で言った渚の笑顔にやられた男子達は既にメロメロだ。

 渚は今日から光希の通う白方高等学校に通うことになり、光希のクラスに転校してきたのだ。

 昨日から渚を敵視している姫月はやはり不機嫌だった。


「じゃあ望月の席は如月の横な」


 担任の教師がそう言うと渚はパァッと晴れ、姫月の表情は更に不機嫌になった。

 ちなみに光希はと言うと、自分の彼女の冷たい視線を後ろから受けつつも渚の熱い視線を前から受け、どうリアクションすればいいかわからなかった。

 そして男子からの視線は殺意ある視線だったのは当然の事だった。



「ふふ、よろしくね、如月光希君」


 わざと初対面らしくしているのか、渚は少しイタズラっ娘のように舌を出し微笑んだ。

 そんな表情の渚に少しドキッとする。余談だが光希は小悪魔感のある女性に弱いのだ。

 まぁ、要約すると光希はちょっぴりSな女性が好みなのだ。


 そんな自惚れている光希に向けられる視線は冷たい物ほか無かった。どうやらこの後待っている体育の授業で必ずボールを当てられるのは必然のらしい。


 渚は転校初日から大人気で、他のクラスの生徒が見に来るのは勿論、他の学年の生徒も見に来ていたほど。その中には彩羽と乙香の影も。

 

 渚の机の周りは女子が占拠していた。最初は男子もいたのだが女子達に追い払われ、今は恋の話で盛り上がっている。


「光希君、浮気は絶対にダメだからね」


 光希は姫月に絶賛説教をされていた。渚が光希の隣になった時の光希の表情が少し受かれていた事で光希は叱られていた。


「えぇ!?そうなの!?」


 と、光希が説教されている横で女子達の驚きが教室を支配した。

 全員が全員渚の席の方を振り向き、充希と姫月も振り向くと、渚の顔は赤面していた。


 姫月に説教されていて何がなんだか全くわからない光希に女子達が光希の方を向き、あることを言った。


「如月君って望月さんの幼馴染みなの!?」


 できるだけ秘密にしていて欲しかった秘密を教室のど真ん中でカミングアウトした為、興味津々の女子の視線と男子の殺意の視線がさっきよりも増して注がれる。


「あ、あぁ」


「ということは、二人だけの秘密の関係みたいなのはあるの?」


 そういう話が大好きな女子達が光希に問い詰める。

 

「いや、そんなのは無いよ、俺には姫月がいるし」


 ここで姫月の機嫌を損ねてはならない、そう本能が告げ光希は恥ずかしがりながら言った。

 赤面する光希、そして同じく赤面する姫月。


「秘密にするほどでも無いけど、光希君の家で寝たよ?」


 おっとここで渚が爆弾を投下。その爆弾は見事爆発。男子達は呪いの呪文を唱え始め、女子達はキャー!という黄色い声を上げる。

 そして姫月はさっきの赤面していた表情とはうって変わって、光希の頬をつねった。

 渚は自分で言ったくせに後々赤面し始め、頬に手を当てた。

 これはまずい、光希は心の中でそう呟いた。

 完全にチェックメイト状態の光希は予鈴により光希は弁解の余地は無くなった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 休み時間が来る度に渚の机の周りはクラスの生徒達が囲み、少し渚は戸惑っていた。

 そして休み時間になれば姫月は光希の腕に抱きつき、休み時間が終わるまで離すことは無かった。



 そして時間は進み昼休み。渚は色んな生徒から昼食を誘われたが全員断り、今光希の横で弁当を食べている。

 今光希の周りにいるメンバーは光希、姫月、彩羽、乙香、渚の五人。

 渚はニコニコとした表情で光希と話していて、姫月と彩羽は不機嫌な表情で二人の会話を何も話さず聞いていて、乙香は黙々とパンを食べている。

 光希と渚以外蚊帳の外状態の姫月が光希の腕をつねる。光希の左右は渚と姫月が占拠している為彩羽は攻撃できないが視線で攻撃している。


「痛っ!姫月、痛い痛い!」


 やめる気配を無い姫月の手を離そうとするが全然離れない。姫月の握力は男子顔負けのレベルで強い為、平均握力の光希が敵うわけがない。


「彼女は、私」


 光希を自分のいる方向へ近づけ、肌が密着するほど近づく。

 と、そんな姫月の行動を見て、何を思ったのか渚も光希を自分の方へ寄せようと光希の袖を引っ張る。


「光希先輩、何デレデレしてるんですか、この二人から離れてください」


 左右から引っ張られている光希に追い討ちを掛けるように彩羽から冷ややかな言葉が光希を襲う。

 ちなみに 乙香はさっきと同様パンをムシャムシャと食べているが、たまに光希の方を向きその度に少し表情が歪み、パンをムシャムシャと食べる、この繰り返しである。


「ちょっ、二人共・・・離してっ」


 二人の力はだんだん強くなっていき、光希の体に限界が来る。

 そんな光希の抵抗は特に聞く素振りも見せずに二人は黙ったまま、ただただ光希を自分の近くへ寄せる為、黙々と争っている。


「光希君、後で言いたいことがあるから、覚えていてね」


 光希の見た姫月のその笑顔に恐怖を感じ、背筋が凍りつく。渚の登場でよりいっそう盛り上がった光希達の昼休みだった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 それから時間は進んで行き、放課後。

 部活に誘われたり、一緒に帰ろう、という誘いが多発し、渚は色んな所から引っ張りだこだった。

 いつもは複数人で帰路を歩いている光希も今日は一人だけだ。

 全員が全員、用事があるようで先に帰宅してしまった。


 渚と帰ろうと思ったが、前述した通り色んな生徒から話しかけられていて、誘えそうに無い。光希はそう考え、一人で帰っていった。


 と、あと少しで家に着くという所で後ろから光希の名を呼ぶ声が聞こえ、振り向くとそこには、さっきまで大勢の生徒が群がっていた中心にいた渚だった。

 

「渚?どうしてここに?」


 渚は光希の近くまで来ると、止まって肩で息をしだした。おそらくここまで走ってきたのだろう。


「光希君と帰りたかったの、でも待ってくれなくて一人で帰っちゃうんだから、まったく」


 少し頬を膨らませ、はぁと息を吐いた。


「そ、そうだったのか、すまん」


 二人は並んで帰路につき、他愛もない会話をして家まで帰った。

 すると、家に入っていく光希を渚は呼び止め、光希は渚の方を振り向いた。


「その、まだ家の荷物が整理できてないから手伝ってほしいんだけど、いいかな?」


 特に断る理由も無い、光希は一旦家に戻り、その後手伝う事になった。



 それから光希は家で着替えを終え、渚の家に入る。


「お邪魔しまーす」


 家に入ると、所々ダンボールが残っていて、渚の言う手伝ってほしい事はこの所々残っているダンボールを家族が帰ってくる前に終わらせる事だった。

 ちなみに光希が手伝う事はあらかじめ家族に言ってあるので、家族の了承は得ているようだ。


「私の部屋は階段を上がった先にあるから、先に行ってて」


 隣の部屋から聞こえる渚の指示通り、階段をあがり「なぎさ」と書かれている部屋に入る。

 入ってて、と言われても女の子の部屋に入るのは緊張してしまう。


「失礼しまーす」


 部屋に入ると、女の子じゃないと香ってこない優しくて、甘い香りが光希を襲った。

 部屋に入るとまだ、開いていないダンボールがあったが、それでも整理された空間が広がっていて、そこには男子の理想とも言える程の綺麗な部屋があった。


 綺麗に並べられた本棚に整理された机。部屋の真ん中には小さな机が置かれていた。

 そして、男子なら誰しもが見るであろうベッド。

 光希も男だ、ベッドを見てここで寝ている事を想像すると、赤面してしまう。

 

(ん?これは・・・)


 光希が興味を示したのは、机に置かれている倒された写真立て。

 

 光希は机に近づき、その写真立てをめくろうとすると、帰ってきた渚が、写真立てを見ようとしていた光希の手を取ろうとした瞬間、渚は足下が狂いそのまま、光希を押し倒す。


(・・・・ん?)


 光希は喋ろうと思い、声を出すが全然声がでない。

 口を塞がれているようだ、そう思った光希は目を開けると、目の前には顔が真っ赤の渚がいた。

 光希は瞬間、何が起こっているかわからなかったが、渚が赤面している理由も一瞬で察した。

 

 そう、光希と渚は倒れた勢いでキスしていたのだ。確かに口が温かい。それも人の温かさだった。

 光希も赤面し、そのまま硬直してしまう。


 間近に感じる渚の優しく、甘い香り。なにより女の子の柔らかさ。光希の上に柔らかい物が至る所に当たり、ずっとこうしていたくなるほどだった。

 そして極めつけは光希の胸に当たる二つの膨らみ。ほどよく成長した禁断の果実は男子の夢。

 そんな夢を光希は独占していた。


 硬直状態にあった渚は脳を再起動、驚くほどのスピードで光希から離れる。


「そのっ・・・ごめん」


「いや、俺こそ・・・ごめん」


 光希は口に手を当て、もう一度赤面した。まだ残る渚の唇の感触が妙に恥ずかしい。


「じゃ、じゃあ、このダンボールと部屋を出た先にあるダンボールをお願い」


 部屋に残っているダンボールを開けて、部屋に置くという単純な作業のくせにあり得ないくらい緊張する。

 おまけに家には光希と渚の二人っきり。どれだけ冷静になっても、赤面するのは避けられないのだった。

ミカエルです。遅れています、はい。

自分は受験生なのでこの季節は辛いのです。

ですが、そんなのは理由になってない!

頑張れ!俺!




そして、この忙しい時期に新しい小説の設定を書いているバカ。


さすがに6作同時とか無理だろ・・・。

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