幼馴染みとの再会Ⅱ
渚は光希と約9年ぶりの再会は果たした二人は夜まで過去の話で盛り上がっていた。
夕方、渚と出会い実に約4時間が経過していた。
光希の部屋で喋っていた渚は引っ越しで疲れたのか、気がつくと眠っていた。
「なんで、男の部屋でぐっすり寝れるんだよ・・・まったく・・」
すやすやと心地よさそうに眠っている渚に毛布を掛け、光希は一階に降りて夕食の準備に取りかかった。
このまま渚を起こすのも悪い気がした為、渚が起きるまではそっとしてあげようと決めた。
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「なんで起きねぇんだよ」
夕方を作り、完食した頃には起きるだろう、という思考だった光希は自分の思考が音と共に崩れるのを感じていた。
光希は忘れていたのだ、渚は1度寝ると叩き起こさないと起きない事を。
「でも起こすのも悪いしなぁ・・・」
うーん、と悩んだ末、光希は渚を空き部屋に運び、泊まらせる事にした。
女性を抱き抱えるのは少し恥ずかしいが、その羞恥心に耐え、渚の膝裏と首を支える。
いわゆるお姫様だっこというやつだ。
渚を抱き抱えた瞬間、女の子特有の香りが光希の鼻孔をくすぐる。
姫月とは少し違う優しい香り。
ちゃんと飯食ってるのか、という位軽さ。
色んな思考を膨らませながら、光希は隣の空き部屋に布団をひき、渚を寝かせた。
「おやすみ、渚」
光希はそっと布団を掛け、部屋の電気を消した。
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翌日、いつも通り風呂に入り予習を終えた光希はそのまま眠りについた。
まだ完全に開いていない目を擦り、ベッドから出た。
あの後、渚の義母が部屋に来て、自分と渚の関係の話した光希は渚は疲れているから今日はこっちで寝かせます、と言ったおいた。
渚の義母を始めて見た光希は少し不安だった。
ちゃんと家に馴染めているか、渚の義母はしっかりと娘だと見てくれているか、不安だったがその心配も無くなった。
「ん?」
部屋の扉を開けると、下で誰かが料理をしている音が聞こえた。
それに良い香りもする。
気になって下に降りてみると、そこには光希が普段使っているエプロンを着けた渚が鼻歌を歌いながら料理をしていた。
「渚、起きてたのか・・・というか、料理するのは俺の役目なんだが」
「昨日1日泊まらせてくれたんだから、これぐらいさせて?」
光希は特に言い返す事も無く、今日の朝食は渚に任せる事にした。
それに、久しぶりに会った幼馴染みの家事スキルを見てみたいという好奇心もあった。
「もうちょっとで出来るから待っててね」
どうやら渚の料理ら完成に近づいたようだ。
少しでも手伝おうと、食器棚から皿を二枚取り出して、コップやその他諸々台所にセットした。
「よし!完成!」
渚の最後の味見が終わり、完成した料理を皿に移し、リビングに良い香りが充満していく。
「「いただきます」」
二人は手を合わせ、渚の作った手料理を味見した。
「う、うまい・・・!」
光希にとって衝撃だった。
今まで姫月の手料理や彩羽の弁当など食べて来たがこの料理は明らかに一番美味しかった。
「美味しい?良かった・・・」
渚はフゥと安堵の息をつき、小声でやっと食べてもらえた、と呟いたが光希の耳には届かなかった。
と、家のインターホンが鳴った。
「あ、私が出るよ、食べてて」
「あぁ、すまないな・・・・ってダメだ!扉を開けちゃ・・・!」
おそらくというかほとんどの確率で彼女、姫月だろう。
今ここで会わせるとまたややこしい事になる、そう感じた光希は急いで止めようとするが、それは既にもう遅い訳で。
「光希君?この人、だぁれ?」
背筋の凍るような声の主、姫月が目が笑ってないまま、笑顔で光希に問いかけた。




