乙香の彼氏は光希!?Ⅴ
「もしもし、あぁ姫月か」
マナーモードにしていた携帯を解除してみると、姫月、彩羽二人からのが大量に届いていた。
そのメールの中にできるだけ早く連絡ちょうだい、と姫月と彩羽は言っていた為、まずは姫月に連絡してみると、
「何で昨日は連絡くれなかったの?」
電話越しでもわかる冷たい氷のような声。
「いや、結構面倒な事に巻き込まれてかなり苦戦してたんだよ」
「でも、彼女の私にメール一つすらくれなかった・・・」
さっきの冷たい声とは全く違う、寂しそうな弱々しい声音だった。
「すまなかった、彼女放っておいたこと謝るよ」
姫月は少し涙声だった。
「嫌なの、光希君が他の子と仲良くするの、凄く凄く胸が痛いの」
いつも光希を他の女性から守る為、涙すら見せないが光希の前では一人のか弱い乙女なのだ。
(悪いことしちまったな・・・)
「この埋め合わせは絶対してもらうから」
「あぁ、俺にできる事なら何でもするよ」
そう言うと姫月は電話越しでもわかるぐらいに安心したのだろう、安心しきった声でうん、と答えた。
(さて、今度は彩羽だな)
彩羽に連絡をすると一瞬で、彩羽が出た。
「もしもし、彩羽か?」
「光希先輩の、バカっ!昨日は東雲先輩の家で寝たんですって?先輩の浮気者!」
このあとも彩羽の説教は続いた。
「す、すいませんでした・・・」
説教をして疲れたのか、彩羽は息を切らしながら、言葉を続けた。
「なんで、なんでいつも他の女とイチャイチャするんですか・・・私の気持ち、気づいてくださいよ」
後半、よく聞こえなかったが光希はすいませんでしたと謝る以外道はなかった。
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「なぁ、さっき電話してたのって誰だ?」
姫月、彩羽二人の電話が終わり後ろを振り向くと、誠道がいた。
「え、えっと・・・」
「埋め合わせとか姫月や彩羽とか聞こえたけど、まさか他の彼女なのか?」
誠道の剣呑な眼差しに黙秘権を行使するしかない光希。
と、乙香が部屋に入ってきた。
「なぁ姉ちゃん、こいつ多分他の女もいるぞ」
そう言うと乙香は、
「そんなわけない、光希は私一筋、そして私も光希一筋」
よくそんなに淡々と答えられるな、と光希が関心していると、ピンポーンとインターホンがなった。
「あれは・・・」
誠道がニヤリと笑みを浮かべ、下に向かっていった。
光希も下にいるインターホンを押した主を見ようと下を見るとそこには・・・
「姫月、彩羽、最悪のタイミングで来やがった・・・!」
さっきまで誠道に浮気疑惑をかけられた所に自分の実の彼女と後輩がいるのだ、絶体絶命である。
「ここは、姫月達にも手伝ってもらおう」
そう言い、乙香は下に降りた。
「あの、二人はあの男、光希とはどういう関係なんですか?」
誠道が姫月と彩羽に聞くと姫月と彩羽、同時に口を開こうとした瞬間、乙香の手で口を押さえられ、乙香は誠道には聞こえない距離まで離れた。
「ぷはっ、な、なんなのよ・・・」
「一つ、二人に頼み事をしたい」
二人の頭には?が生まれた。
頼み事の内容を伝えると、二人の機嫌は悪くなった。
「おねかい、手伝って」
乙香が言うと二人ははぁ、とため息ををつき、渋々了承したのだった。




