光希の彼女は乙香!?
インフルエンザで長期間投稿出来ませんでした。
ごめんなさい。
その後も二人は過去話で盛り上がり、気づけば夜は更けていた。
「おっと、もうこんな時間か」
時計を見た光希は飲み終えたコーヒーのカップを台所に置いた。
「今日はもう寝ようか、明日も早いし」
姫月も椅子から立ち上がり、二人は階段を上り部屋に向かった。
寝る部屋はもちろん一緒では無い。
最後の最後まで姫月は別々の部屋で寝ることに反対していたが、一年間彼氏をやっていたことだけはあり、姫月を納得させた。
「じゃ、また明日」
「おやすみ」
一言、会話を交わし、二人は夜が更けていくと共に、眠りについていった。
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朝日が上り部屋の窓からまぶたが刺激され始める午前6時。
この時間に光希は起きないが、姫月は別。
姫月はこの時間には既に起きている。
それはなぜか、思い人に弁当を作る為である。
朝早く起きるのを始めて早1年、前までは苦手だった朝もすっかり苦手克服。
料理本を見ながら作った頃もあったが、今や完全に手つきが主婦である。
「これでよし!」
自分の分と光希の分の弁当が完成、だが、まだ時間がある為姫月は小悪魔的な表情を浮かべ、二階に向かい、光希の部屋の前に立った。
「少しくらいなら、いいよね」
どうやら昨日の夜は本気で一緒に寝たかったらしくその衝動が抑えきれなかった。
キィと音をたて部屋に侵入した姫月はそっと光希のいるベッドに潜り込んだ。
と、光希の横にいる姫月の肩辺りに機械のような感触があったので取り出して見ると、それは光希のスマホだった。
「こんなとこに置いてたら画面割れちゃうよ?」
机に置こうとすると姫月はまた何か思いつき、光希のスマホの電源を入れた。
今、姫月がやろうとしているのは浮気調査だ。
彼女がいるにも関わらず、常に別の女の子とも仲がいい光希を見ていると、浮気するんじゃないか?とか、連想してしまう。
(まずは彩羽ちゃんから)
チャットアプリを立ち上げ、彩羽との会話を見てみる。
(昨日の夜も喋ってたんだ、この時間は私達がベッドに入った時間だな・・・)
所々にイチャイチャしている会話ログがあると、目付きが変わったり、はたまた光希が姫月のことを喋っていると表情がいつもより穏やかになったりしていた。
(とりあえず完全な浮気は無しかな、ちょっと危ない所はあったけど)
次の会話のログを見ようとすると、光希があくびをし、寝返りをうった。
(やっぱり寝顔可愛い)
ニコニコとした表情で光希を見ていると光希が目を覚ました。
「あ、光希君、おはよ」
「おはよじゃねーよ、何でここに?」
太陽のような笑顔を鋭いツッコミで返す。
姫月は少し頬を膨らませ、
「昨日一緒に寝れなかったからそれの代わり」
光希の腕にスリスリと顔を埋めしがみつく。
「まさか今日も昼ごはん作ってくれたのか?」
「もちろん、大好きな人の為だもん!」
ここまで素直に言われると照れくさくて死にそうになる。
「そ、そうか、サンキューな、姫月」
照れ隠ししようとしても頭の中にさっきのフレーズが残り、どんどん顔が熱くなっていく。
「照れてるの?可愛い~」
「う、うるせー!」
と、光希が恥ずか死にそうになっていると、助け船が来るかの如く、家のインターホンが鳴った。
「私が出るね」
ベッドから降り、家の扉を開けると、そこに居たのは、前髪を止めているうさぎのピンが可愛い彩羽がいた。
「何で雪白先輩がここにいるんです?」
いつもの可愛らしい後輩オーラとは裏腹に今の彩羽は完全に鬼のオーラだった。
「私は彼女だから彼氏の家に居てもおかしくはないと思うよ?」
姫月は姫月で思い人に寄り付く女と言う名の女狐を狩る狩人だった。
と、リビングの向こうからトントンという階段を降りる音が聞こえ、光希が目を擦りながら出てきた。
「彩羽、どうしたんだ?こんな朝から」
普段、もうちょっと遅めに来る彩羽が今日は割と早くから来たことに驚いていた。
「いえ、今日は少し早く起きたので」
「そうか、まぁ、上がってくれ、俺は着替えて来るから」
制服に着替える為、二階に行った後を姫月が追った。
「私も上にカバンあるから取ってくるね」
彩羽はリビングにカバンを置き、いい匂いのする台所に向かうと、そこには二つの弁当箱とさっきまで使っていたようにしか見えないコンロがあった。
(料理をしていた?こんなに早くに光希先輩が?そんなわけない、ならここで料理していたのは・・・)
と、後ろを見ると明らかに女の人が使うような柄をしたエプロンがあった。
しっかりとたたまれているが、エプロンに付いてるシミが数時間前の物。
さっきまで台所にいた人物が完全にわかると自分でもわかるぐらい不機嫌になった。
「光希君、朝ごはんは今から作るからね」
階段を降りてきた姫月が台所に向かうとそこには彩羽がいた。
「雪白先輩、昨日からここに居たんですか?」
彩羽の声音は深海よりも深く、そして冷たかった。
と、姫月が答える前に光希が降りてきて、二人の会話は光希によって阻害された。
「あ、彩羽、この本読み終わったから返すよ」
光希の手にあったのは6冊の漫画だった。
「もう読み終わったんですか?」
「あぁ、彩羽が面白いって勧めて来たから、勉強そっちのけで読んだよ」
「で、どうでした?面白かったですか?」
完全に二人の世界な為、姫月は手も足も出ない。
「すごく面白かったよ、後半から現れ始めた朱音の恋心によって振り回される彪馬がすごく面白かったし、朱音の少し素直じゃない所はニヤニヤが止まらなかったな」
「ですよね!朱音ちゃんホント可愛いです!」
と、感想を言い合う二人の間にポツンと1人、姫月は朝ごはんを作っていた。
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「時に光希先輩」
「ん?」
「私にも好きって言ってくださいよ!」
さっきまで感想を言い合っていた光希と彩羽だったが、光希は全然姫月をかまってあげなかった為、罰として「好き」って言って!とせがまれて、「好き」と小さめの声で答えると今度は彩羽が不機嫌になり、今に至る。
「な、何で彩羽に好きって言うんだ?」
「何でって、私のこと好きじゃ無いんですか!?」
いつも拳一個分あるか無いかぐらいだが、今は完全に密着している。
「光希君!デレデレしない!」
右にいる姫月も光希と彩羽の距離を離そうと、光希を引っ張る。
「好きかどうか聞いてるんです!早く答えてください!」
彩羽も姫月と光希を密着させたくない為、光希を自分の方に引っ張る。
「分かったよ!好きです!」
と、数秒間、騒がしかった姫月と彩羽がシンと静まり返る。
「光希君?どういうこと?今の好きについて詳しく聞きたいんだけど」
右からは漆黒に染まった暗いオーラが。
そして左からは太陽のような輝かしい光のオーラが。
「やっぱり光希先輩は私のこと・・・光希先輩~」
光希の腕に抱きより、顔をスリスリと擦り付ける。
「光希君、後でお話しようね」
光希の腕に抱きついていた姫月の手は光希の腕をつねった。
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い」
姫月の二日間何でも言うことを聞く権利の効力が切れたことで何か変わるかと思いきや何も変わらない修羅場一直線の非日常だった。
「あ、乙香」
曲がり角を曲がると、そこには艶やかな黒髪をなびかせる少女、東雲乙香がいた。
「光希」
光希の声に反応し、後ろを振り返り、乙香がこっちまで来た。
「光希、良いところに来た、1つ頼み事がある」
「ん?何だ?」
と、乙香の顔が赤くなり、口を開いた。
「私の、彼女になって」
「・・・は?」
一難去ってまた一難、また修羅場が訪れる。




