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追憶の夜

「光希君、味見して」

台所に立っている姫月がソファに座っている光希に味見を頼む。

「うん、良く出来てると思うぞ」

姫月の味噌汁は自分で作る味噌汁より美味し買った。

「よし、完成!」

完成したご飯を食卓に運ぶ。

「お~、美味そうだな!」

部屋中に広がる香りだけで幸せな感じになる。

「さ、食べよ」

二人とも椅子に座り、手をあわせる。

「「いただきます」」

「美味い!」

光希の感想に嬉しそうにありがと、と答える姫月。

「ねぇ、私が光希君に告白した日のこと覚えてる?」

すると、光希の顔が少し赤くなる。

「お、覚えてるよ」

「何で赤くなってるの?可愛い~」

「からかうなって、でそれがどうかしたのか?」

姫月は箸を置き、真剣な表情になり、言葉を続ける。

「付き合ってから1回もキスしてないからそろそろしてほしいな~って」

「き、キスって、何で赤くいきなり・・・」

更に光希の顔が赤くなり、いつもより小さな声で呟いた。

「だってキスしたの頬にしかしてないじゃん」

光希から姫月にキスしたのは1回しかない、逆に姫月が光希にキスしたのは数えきれない。

「じゃあ、告白した場所は覚えてる?」

「卒業式が終わった後の桜の木の下」

「当たり~」

「懐かしいね」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ここからは光希、姫月、彩羽の中学時代の話。

光希が姫月と出会ったのは中学三年の頃。

対して光希と彩羽が出会ったのは光希が中学二年で彩羽が一年の頃。

中学時代の光希はテニス部に所属していて彩羽もテニス部に所属していた。

光希と彩羽の出会いはテニス部。

対して光希と姫月は普通に喋り合う友達同士。

まずは光希と姫月の話。

二年になり、学校にも慣れてきた頃。

雪白姫月は恋をしていた。

相手は同じクラスの如月光希。

運動も勉強も普通、顔も特別かっこいいわけではなく、どこにでもいるような普通の中学生。

それでも姫月は素朴な優しさが好きだった。

「おはよう、如月君」

運よく席も隣で挨拶はもちろん休み時間に喋ることもできた。

「おはよう」

光希も席に座り、他愛のない会話をしているとすぐに予鈴がなり、いつも通り授業を受ける。

昼食は別々で食べる。

光希と姫月は同じ図書委員なので一緒に行動することは多い。

そして放課後、姫月は陸上部なのでそこは一緒じゃないが、陸上部と光希の所属しているテニス部は練習場所が隣なので目を向けることぐらいは可能だ。 

(光希君、一生懸命だな~)

ランニングしながら腕立て伏せをしている光希を見る。

この時には既に彩羽とは仲の良い先輩後輩の関係だった。

光希のほうはトレーニングが終わり、各自休憩に入っている。

と、休憩している光希に一人の女子生徒が近づいてきて、光希の腕に抱きつく。

(なっ!)

胸の中で驚き、少しデレッとしている光希を睨み付ける。

(なんなのよあの子は!)

胸の中で嫉妬の炎を燃やす。

「ちょっ、彩羽、抱きつくなって」

急に抱きついてきた彩羽を剥がそうとするが、中々離れない。

「いいじゃないですか~」

甘い声を出しながら自分の胸を光希の腕に当てる。

「ちょっ、当たってる、当たってるから!」

「当ててるんですー」

彩羽は更に腕を締め付ける。

(なにしてんのよ!如月君!)

剣呑な眼差しを送るが光希には届かなかった。

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