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修羅場の始まり


 彼女、特定の男性と交際にある女性の事を彼女と言う、または恋人とも。

 そして、この少年、如月光希(きさらぎみつき)にも彼女がいる。

 雪白姫月(ゆきしろひな)という彼女が。そして彼女がいるはずの光希に色んな女性からアプローチを受け、ひたすら修羅場に巻き込まれるという災難な少年の物語。



 カーテンの隙間から指す、太陽の光が光希の目蓋をじわじわと開けようとしてくる。寒い冬が終わり冷たい空気が段々と暖かくなって来る今日この頃。

 布団の魔力も段々と薄れていき、起床時間が段々早くなって来た光希は目を開けた。

 

 昨日寝る前は真っ暗だった外も体内時間では数秒のくせに実際は何時間も経過している。睡眠とは不思議なものだ。

 と、そんな事を思っていると、下から聞き飽きた程のインターホンが鳴り光希は重い体を起こし、階段を降りる。

わかりきった客だが、無視するとどうなるかわからない。光希は以前にそのような事があった為、この客は無視してはならないのだ。


 あくびをこぼしながら、玄関の鍵を開けるとそこには光希の思った通りの人物がニコニコとした笑顔で立っていた。

 その人物の名は雪白姫月、整った顔立ちに天然の茶髪をポニーテールにした髪型の少女は光希の顔を見ると笑顔がより明るくなりおはよう、と天使のような笑顔が眩しく感じる。

 程よく成長し始めたその二つの双丘はまだどんどんと成長を続けるだろう。


「姫月か、おはよう」


 目を擦りながら、リビングに向かい姫月も着いていく。この時間になると姫月は毎日必ず来るのだ、その理由は単純。ただただ光希に早く会いたい、それだけ。


「もうちょっと遅く来ても良いと思うんだが・・・」


「ダメ、彼氏のお世話をするのは彼女の務めなんだから」


 この会話は既に五回ほどしているが、毎回姫月はこの答えが帰ってくる。この会話も日常茶飯事だ。

 光希はリビングのソファにかけてある制服を取り、洗面台で着替えを済ませる。

 料理を習っている途中の光希は料理のうまい姫月に教えてもらう為、朝ごはんはいつも二人で作っている。


「朝ごはんは作るの楽だからどっちかというと弁当を作りたいんだが・・・・」


 朝ごはんの料理はいたってシンプル、一方で弁当は難易度が朝ごはんとは違って高い。

 光希はそれを練習したいのだが、


「ダメ、光希君のお弁当は私が作ればいいから、光希君は練習しなくてもいいよ」


「いやでも、高校卒業したら一人になる可能性もあるし・・」


「私が光希と離れるわけないじゃん、だから高校を卒業しても絶対に離れないから」


 確かに姫月なら光希がどこにいても必ずついてくるだろう。姫月の言葉に不覚にも赤面してしまう光希。

 もし、光希が別れよう、なんて言っても姫月には通じないだろう。


「だから、光希君には料理を覚えてもらうんじゃなくて、勉強できるようになってほしいな」


 料理より難しい難題が光希に降りかかる。勉強が全くできない訳では無いのだが、光希の学力は頑張っても中の上に入ればラッキー、というレベル。

 

「それは難しい事を言うな・・・」


 そんな他愛も無い会話が光希の日常だった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 制服に着替え、家を出た光希と姫月は徒歩10分程歩いた先にある白方高等学校(はくほうこうとうがっこう)に向かう。

 今日は白方の入学式ということもあり、見かけない顔の生徒達が多数いた。

 

「どうか、光希君と同じクラスでありますように」


 そしてさっきから姫月は天に祈りを捧げている。学年が変わるとクラスが変わる、去年は光希と姫月は別のクラスだったから、今年こそは同じクラスであってほしいと願っている。


「去年は別のクラスだったけど別にまずい事は無かったし、クラスが違ってもいいんじゃないか?」


 光希がそういうと姫月は即刻、光希の意見を否定した。


「私が居ない所で光希君が浮気してる可能性だってあるんだから!」


 確かに白方は顔立ちが整った生徒が多いのは事実。そして光希の学年には可愛い生徒が他の学年と比べ多い。まぁ、姫月を超える生徒はおそらくいないが。


「まぁ、一緒のクラスだといいな」


 そんな期待をしていると、あっという間に白方が見え二人は門をくぐる。

 校舎の一階にはクラス表が貼られており、そこに生徒達は群がっていた。同じクラスだ!と喜ぶ生徒もいれば、別々のクラスになり、テンションが落ちている生徒もいる。

 姫月も光希の手を引きクラス表の近くまで行く。


「えっと、二年のクラス表は・・・」


 ぴょんぴょんと飛びながら光希と姫月、二人の名前を探す。見つけたいのだが、前には無数の生徒達で埋まっていて、中々見えない。

 と、姫月が光希と自分の名前を見つけたらしく、光希の方を向く。その表情は太陽の輝いていた。


「私達同じクラスだ!やった!」


 天への祈りが幸福を呼んだのか、二人は同じクラスになり、姫月は心底喜んでいる様子だった。

 


どーもミカエルです。初めましての方は初めてまして、ミカエルです、よろしくお願いします。

3作目をやっと書けました。1作目も2作目もまだ完結してないので、1作目と2作目を書きながら、設定を作るのは大変でした。

最後に1作目と2作目を読んでない方は是非そちらもよろしくお願いします。

では、次回また、お会いしましょう、さよなら

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