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【詩集】日常から

詩とはいつしか遺書に似て

作者: につき

詩とはいつしか遺書に似て

残されるのはわたしの欠片


午後も遅くアスファルトの

のめり込むような眩暈の果てに

いつか記憶の期限切れの死者となり

言葉たちは紙くずになっても

切り裂いて射す光の放埓に

明らかにされる生々しさとして

ヘマタイトの鏡面を裏側に持つ

欠片は確かにわたしにあるから


点描画で描かれているこの世界の

無数の点の一つとして

かつて幼子の瞳に輝いた

色付きのカットガラスの一つとして

まだ試作品の朝の目覚めに訪れる

微かに瞬く予感の光となって

拡散していく言葉の粒子たちの

ひと時の止まり木となって


誰ひとり拒むことのない

ライブラリの片隅に置かれる

一篇の詩集の中で

木の芽のさいしょの息を

輝く海を青く染めるものを

色づきを止められない木々を

凍りつく眠さのさみしさを

書き留めるわたしの欠片

お読み頂いてありがとうございます。

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