少女の日常
今日も読んでくださってありがとうございます。
自分の中の物語のごく一部を書き起こしたものです。これから投稿毎日投稿していく物語とつなげていくと全様が見えてくるかもしれません。
彼は危険な男だ。もう決して近づいてはいけないよ。とパパは言った。そんなことはない。あの人は勇敢で優しい人だ。だって、わたしを守ってくれた。そう訴えるのだがその少女の父親は断固として、会ってはいけない、と繰り返した。「パパのわからずや!」少女はそう言い放つと扉を開けて出ていった。
「護衛の諸君。今度はしっかりと頼むよ」厳かに口を開いた父親らしい人物に応じて「はっ」と鎧に身を包んだいかにもといった騎士たちが一斉に手にした槍を地面に打ち付けて鳴らした。
「もうパパったら本当にわからずやなんだから……。あの人が悪人?そんな訳ない。だってあの人は、ピンチのわたしを助けてくれた……ヒーロー……なんだから……」頬を赤く染めて地面に向けてそう言葉を投げかけた。そして暫くして、今度は空へ向けて、切に願い問い掛ける。
「どうすれば、またあの人に会えるの」
「本当にあの方にも困ったものです。我々が警護をしているのにわざわざ目を盗んで抜け出すなんて」
「全くだ。これじゃあ何でわざわざ俺等が見張っているのかわからねえ」
「あのおてんばはどうにかならんかねえ」
「ならねえだろうなあどうにも」
「「はあ」」かの娘さまの部屋の前を警護していた三人の騎士のような恰好をした者たちが同時に溜息をついた。
すると飲み物を入れに中へ入ったメイドのような女が叫んだ。
「「またか?」」部屋はすでにもぬけの殻であった。
「本当にいつもいつも。半日を費やし走り回らねばならぬ我等の苦労も少々考えて頂きたい……」
「口を動かさずに足を動かせ!今度こそあの方に何かあれば本当に俺達の首が飛びかねない!」
「わかってるよ!」必死に足を動かし石畳の上を重装備で駆けてく騎士のような姿をした者たちは血眼になって彼女を探している。
一方その捜索されている当の本人といえば。
「そうだ、わたしが襲われてあの人が助けてくれた場所にいけばまた会えるかも」
怖いけれど、近くまで行くくらいなら大丈夫、きっと。紙のように薄い警戒心でその後にどうなるかなど大して考えもせずに思い立ったらすぐ行動がモットーな彼女はすぐさま探し人と出会った場所へと向かい始めた。
読んでくださってありがとうございました。なにがなんだかわからなかったと思いますが話の真相はこれからの物語を読んでいくとつながっていくと思います。また明日よろしくお願いします。