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【6700PV感謝 & 4章スタート】異世界★魔法少女― 転生初日に聖女扱いされましたが、変身が罰ゲームすぎます! ―  作者: もりやま みお
第1章 ごめんで済んだら聖女はいらない【ディスカール伯爵領編】
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毒蛇の計略 〜ヴォルガス子爵の密談〜

 ディスカール伯爵領のすぐ隣、ヴォルガス子爵邸。


 重厚なカーテンが閉め切られた書斎で、ヴォルガス子爵は品のない笑みを浮かべながら、贅沢に注がれた葡萄酒(ワイン)を揺らしていた。


「……準備は整いましたか、大司教閣下」


 向かい側のソファに深く沈み込んでいるのは、純白の法衣に身を包んだ男。

 中央教会の大司教だ。


 聖職者にあるまじき丸々と太った指には、信者からの寄付で買い漁った宝石の指輪が、下品に輝いている。

 彼は教会のトップ層にいながら、その実は金と欲に塗れた汚職の塊だった。


「ふむ……。 ディスカール伯爵の領地で採れる魔導錫が、完全に呪いに侵されたという報告は入っております。 もはやあそこは女神に見捨てられた土地……。 教会の名において没収し、信心深き貴殿に管理を任せるのは、至極当然のことでしょうな」


(ククク……うまくいった)


 裏で魔導師を雇い、鉱山に負の魔力を流し込ませたのは正解だった。

 さらに、街道に魔物を放ち、物流を止め、領民に「伯爵は女神に見捨てられた」というデマを流す。

 陰湿な嫌がらせの数々は、ディスカール領を確実に孤立させ、腐らせていた。


「……だが、先日送り込んだ、黒き鎧の一団が失敗したようです。 私の秘蔵の傭兵共が、たった一人の小娘に一掃されたと。 にわかには信じ難いですが、どうやら、例の聖女を名乗る小娘は、ただのペテン師ではないようですな」


「フン、何かしらの異端の術でも使ったのでしょう。 聖女の認定は我ら教会の専権事項」


 大司教は鼻で笑い、脂ぎった手でパンをちぎって口へ放り込んだ。

 咀嚼する音が、静かな部屋に不快に響く。


「では、私が自ら出向き、その娘が偽物であることを証明してやりましょう。 大衆の面前で、呪われた錫を浄化してみせよと迫ればいい。 ……万が一にも浄化できなければ、その娘もろとも伯爵家を、邪教徒として処断できます」


「ククク……。 もし、あがきを見せるようであれば、さらに黒き鎧を追加で放ち、公衆の面前で力ずくでねじ伏せる手筈も整えております。 ……いやあ、これは楽しみですな」


 ヴォルガスは窓の外、ディスカール領の方角を見ながらほくそ笑んだ。

 近々、大司教と共に乗り込み、あの頑固な伯爵を絶望の淵に突き落としてやるのだ。


 そして、偽の聖女を処刑台へ送り、豊かな鉱山を手に入れる。


 その完璧な計画には、一点の曇りもないはずだった。

第8話をお読みいただき、ありがとうございます。


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