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【7000PV感謝 & 4章スタート】異世界★魔法少女― 転生初日に聖女扱いされましたが、変身が罰ゲームすぎます! ―  作者: もりやま みお
第3章 氷の魔女と氷雪の王女 【水の都アクアヴェーネ編】
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第一回眷属会議(1)

「いい?いろんなことがありすぎて、よく分からなくなったから一回整理するわよ!」


 あたしは、みんなを座らせると、司会者の様に大きなテーブルをバンっと叩いた。


「まず、今までに出てきた情報を整理するわ。リナ!」

 あたしは、横のリナに続きは頼んだと、目配せをする。


「かしこまりました。まず、確定事項としまして、お嬢様の眷属として、我々、カイル様、ミリィ様、私以外に、新たにレオ様、セレナ様が加わりました」


「おお!共にスズネ様をお守りしましょうぞ」カイルが暑苦しい声を張り上げたかと思えば、「よろしくね、レオくん、セレナさん」ミリィはぺこりと丁寧に頭を下げた。


「皆さん、改めてよろしくお願いします」

 レオが背筋を伸ばして挨拶をする。


「我が(あるじ)様に改めて、忠節を」

 セレナは静かに、けれど熱い眼差しであたしを見つめている。


(うん。大所帯になってきたね……)


 あたしは頭を抱えたくなった。


 隠密行動?

 目立たない生活?

 そんなの、このメンツで歩いていたら、逆立ちしたって無理でしょ。


「……で、ここからが本題よ。アル、あんたが言ってた『歴史の改変』について、もう一回ちゃんと説明して」


 あたしがテーブルの上の毛玉を指差すと、アルは前足で器用に顔を洗いながら口を開いた。


『やれやれ。飲み込みが悪いなぁ。いいかい?本来の歴史では、勇者レオと4人の仲間、合わせて5人の英雄が魔王を倒すはずだったんだ』


「でも、あたしがセレナを助けちゃったから、それが変わったのよね?」


『ご名答。本来ここで死ぬはずだったセレナが生き残り、君の眷属となったことで、運命の歯車が大きく狂った。結果、世界は帳尻を合わせるために、英雄の枠を5人から9人に増やしたんだよ』


 アルはそこで言葉を切り、楽しそうに尻尾を揺らした。


『セレナ、カイル、リナ、ミリィ。そしてレオ。彼らを含めた『九英雄』を率いるトップ……それがスズネ、君ってわけさ』


(……何よ、その野球部の監督みたいな軽いノリは!)


 あたしは一般人よ?

 ちょっと可愛いだけの女子高生よ?

 なんで英雄のトップに君臨しなきゃいけないのよ!


「……恐縮です。本来なら歴史の闇に消えるはずだったこの命、主様のために使い潰していただけるなら本望です」

 セレナが、重すぎる忠誠を口にする。


「僕もです!スズネさんのような素晴らしい方が導いてくれるなら、魔王なんて怖くありません!」

 レオまで目をキラキラさせている。


 やめて、その純粋な信頼が一番胃に来るの。


『そして、もう一つ重要な変更点がある』

 アルの声が、すっと低くなった。


 その場の空気が一瞬で張り詰める。


『魔王の復活時期だ。本来なら8年後だったはずが――歴史が変わった反動で、大幅に早まっている。……下手をすれば、数ヶ月以内かもしれない』


「す、数ヶ月ぅ!?」

 あたしは裏返った声で叫んだ。


 隠居どころの話じゃない。

 今すぐ核シェルターでも探さないと間に合わないレベルじゃない!


「……確かに。先ほどのイフリシアといい、魔族の動きが活発すぎます。奴らは本気で、魔王の復活を迎える準備に入っているのでしょう」

 セレナが悔しげに唇を噛む。


「ならば、我々は一刻も早く力をつけねばなりませんな!スズネ様をお守りし、魔王の首をあげるために!」

 カイルが鼻息荒く立ち上がった。


「ええ。お嬢様の平穏を脅かす害虫は、魔王だろうが神だろうが、私がすべて排除いたしますわ」

 リナが冷徹に、太ももの暗器ホルダーをさすりながら呟く。


「ミリィも!ミリィもがんばるよ!おねえちゃんを守るもん!」

 ミリィまで、小さな拳をギュッと握りしめている。


(……ちょっと待って。なんでみんな、そんなにやる気満々なの?)


 あたしは、テーブルに突っ伏した。


 増えた仲間。

 迫りくる魔王。


 そして、勝手に祭り上げられた英雄のリーダーという地位。


「……あたし、ただ平穏に暮らしたいだけなのにぃぃぃ!!」


 あたしの魂の叫びは、迎賓館の高い天井に虚しく吸い込まれていった。

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