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【6700PV感謝 & 4章スタート】異世界★魔法少女― 転生初日に聖女扱いされましたが、変身が罰ゲームすぎます! ―  作者: もりやま みお
第3章 氷の魔女と氷雪の王女 【水の都アクアヴェーネ編】
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歴史の歯車が狂った日

『いま、この瞬間に、この世界の()()()()()()()()()()()ようだ――』

 アルがポツリと、けれど重々しく呟いた。


 あたし以外のみんなは、その発言の意味が分からないと言った表情で、無言でアルを凝視した。


(……え?どういうこと……?)


 歴史が変わった?

 なにそれ、映画とかである、なんとかパラドックス的なこと?


「ちょっと、アル。それってどういうこと?あたしにも分かるように説明してくれる?」


 あたしは早口でアルに問いかける。

 無意識に、ドクドクと鼓動が早くなるのを感じた。


 アルは少し考えたように、眉をしかめ重い口を開いた。

『本来セレナは、一ヶ月後、ここでレオに殺されて死ぬ。それが、この世界の正解であり、本来の歴史だったんだ――』


「……っ!?」

 セレナが息を呑み、とっさに胸元を強く押さえた。


 レオもまた、自分の手がかつてその命を奪うはずだった事実に、言葉を失っていた。


「そんなこと……」

 思わず、目を閉じる。


 本来、レオがセレナを殺したって……?

 嘘でしょ……?


『後に真実に気づいたレオはひどく落ち込み、心に大きな傷を負うことになる……。しかし、レオはそれを乗り越えて成長し、真の勇者へと上り詰めていくんだよ。本当ならね――』


 アルの言葉に全員が言葉を失った。


 本来であれば、こんな馬鹿げたこと誰も信じないかもしれない。


 でも、先ほどのあたしの力――。

 そしてアルのふざけたような圧倒的な存在感の前では、信じざるを得ない謎の説得力があった。


『僕が見た本来の歴史では、魔王を倒すのは勇者レオを含めた5人だ。魔王を倒し、後世に『()()()』と呼ばれるはずだった五人――』

 アルの淡々とした言葉が、広間に重く響く。


「五英雄……」

 あたしはその言葉をなぞる。


 世界を救うという、輝かしい功績――

 それこそ、歴史の教科書に載るような、世界を揺るがす大きな出来事だ。


 それが、あたしのせいで、形を変えようとしている。

 そう思うと堪らなく怖くなって、今すぐ膝を丸めてうずくまりたい気分だった。


『しかし、歴史の改編が起こった結果、なぜか英雄の数が増えてしまっているんだよ――』

 アルの瞳が、あたしを真っ直ぐに射抜いた。


「えっ、まさか……?」

 喉が引きつる。


 嫌な予感が、確信に変わっていく音が聞こえた。


「そう、そのまさかさ」

 アルは残酷な宣告を下すように、ゆっくりと首を振った。


『六人目。つまり、本来存在しないはずの英雄として――セレナ、君がその歴史の歯車に組み込まれたんだ』

 アルは、静かにセレナの方を見据えて言った。


 今、セレナって言ったよね?


(……よ、よかったぁぁぁ!あたしじゃなかったああ!)


 あたしは内心で、天を仰ぎたくなるほどの安堵に包まれた。


 そうよね、戦うのはセレナよね。

 精霊騎士だし、強いし、適任だわ。


 ――けれど。アルの宣告は、そこで終わりではなかった。


『それだけじゃない。七人目にカイル――』


「え?」

 まさかの名前に、先ほどまでの安堵が吹き飛んでいく。



『八人目リナ。九人目ミリィ――』

 アルが名前を挙げるたび、あたしの心臓が嫌なリズムを刻み始める。


 ちょ、ちょっと待ちなさいよ。

 なんであたしの周りの人間が全員ランクインしてるわけ?


(ひょっとして、まさかあたしが十番目じゃないわよね!?)


 冷や汗が背中を伝い、あたしは首を横に振る。


 それだけは言わないで。

 嫌だ、その一言だけは――。


『この九人。つまり「九英雄」を従えて魔王を倒す。つまりは、彼らを導く真の勇者であり、真の聖女――それがスズネ、君だよ』

 アルが、残酷なまでにハッキリとした口調であたしを指し示した。


「ええええええええええええ!!」

 広間にあたしの悲鳴が響き渡る。


(五英雄が九人になって、九英雄?で、その頂点があたし?)


 話が大きくなりすぎて、ついていけないんですけど……。


 そんな導くたって、誰を?

 あの癖の強い眷属たちと勇者を!?

 冗談じゃない!


 絶望に身悶えるあたしを余所に、アルの瞳は、書き換わった真実の歴史をなぞるように、妖しく、そして静かに、細められていた。

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歴史が変わる....!成長しきってない勇者...!超気になります!
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