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【7200PV感謝 & 4章スタート】異世界★魔法少女― 転生初日に聖女扱いされましたが、変身が罰ゲームすぎます! ―  作者: もりやま みお
第1章 ごめんで済んだら聖女はいらない【ディスカール伯爵領編】
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殺しの許可証

 夜の闇に沈んだ子爵ヴォルガスの執務室は、冷ややかな高揚感に満ちていた。


 卓上で揺れる蝋燭(ろうそく)の炎が、届いたばかりの書状を不気味に照らし出している。

 教会の紋章が刻まれたその紙には、たった一行、無慈悲な事実が記されていた。


「……保留か。 くく、あの老いぼれも、実に食えないことをする」


 ヴォルガスは口角を歪め、琥珀色の酒をゆっくりと喉に流し込んだ。


 彼の正面には、顔を深いフードで隠した三人の男たちが、気配を消して直立している。

 ヴォルガスが私財を投じ、暗殺ギルドから呼び寄せたその道のプロたちだ。


「教会はメンツを守り、私は目障りな小娘を排除できる。 ……あの大司教、私に殺せと合図を送ってきたわけだ。 この上ない殺しの許可証を添えてな」


 ヴォルガスはグラスを卓上に叩きつけた。

 氷のぶつかる鋭い音が、静まり返った室内に響く。


 彼は立ち上がり、背後の壁に掲げられた領地の地図を指差した。

 その先にあるのは、スズネたちの身を寄せる伯爵邸だ。


「よいか。 相手は正体不明の術を使う。 だが、所詮は小娘だ。教会という後ろ盾を失い、恐怖に震えている今こそが好機だ」


 ヴォルガスの瞳に、野望に満ちた憎悪が宿る。


「行け。 一人も生かして帰すな。 あの小娘が存在した痕跡をこの世から消し去るのだ!」


「御意!」

 フードの男たちが一斉に膝をつき、次の瞬間には影が壁に溶けるようにして姿を消した。


 ヴォルガスは再び酒を注ぎ、窓の外、伯爵邸のある方角を見つめて低く笑う。


「……せいぜい、死ぬ間際までキラキラと着飾っているがいい。 お前の神話は、ここで終わるのだから」


 冷たい風が吹き抜け、蝋燭の火が消えた。


 伯爵邸が、ヴォルガスの放ったむき出しの殺意に包囲されるまで、もはや一刻の猶予も残されていなかった。

第15話をお読みいただき、ありがとうございます。


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