表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【6700PV感謝 & 4章スタート】異世界★魔法少女― 転生初日に聖女扱いされましたが、変身が罰ゲームすぎます! ―  作者: もりやま みお
第1章 ごめんで済んだら聖女はいらない【ディスカール伯爵領編】
1/73

魔法少女(18)爆誕

数ある中から、スズネの物語を見つけていただき感謝いたします。


この物語は女子高生スズネが不本意に魔法少女へ変身させられ、羞恥に悶えながら戦うシリアスコメディです。

クスリと笑っていただけたら嬉しいです。

挿絵(By みてみん)

「女神様……」

 誰かが、震える声でそう呟くのが聞こえた。


(……え、女神様? どこに??)


 眩しすぎて閉じていた目を、恐る恐る開いてみる。


 すると、目の前に広がっていたのは、悪ふざけしたみたいな大量のフリル。

 そして、鮮やかなピンク色の髪の毛。

 まるで自分のものとは思えない異物が、あたしの視界を遮る様に揺らめいていた。


(……え? ちょっと待って……)


 慌てて自分の体を見下ろして、あたしはさらに絶句した。


 視線を落とした先にあったのは、、魔法少女のアニメでしかみたことがないような――とにかく、とんでもなく派手で露出が多いコスチューム。


 しかも、なんか地面が近くない?

 目線が低いっていうか、あたし……縮んでる!?


 そして、周りにいる全員が、動物園の檻の中でも見ているかのように、ただひたすらに、あたしをガン見している。

 突き刺さる視線が、痛い。


(……いや、見ないで……。 そんなマジマジと見ないでえええ!!)


 これじゃ、公開処刑だ。


 おかしい。

 どうしてこうなった?


 ……あー、思い出した。

 全部、あの()()()()()のせいだわ。


 ここで、時計の針を、少しだけ巻き戻そう。

 あたしが、クソタヌキと出会う直前まで――



 ……。


 …………。


 ………………。



(……え。 何これ)


 体が動かない。


 というよりも、動かすための体がどこにあるのかも分からない。

 何も見えないし、ただ意識のみが存在しているような、そんな奇妙で心許ない感覚。


(あー、これ、あたし死んじゃったやつだ……)


 でも、死んだにしては意識がはっきりしすぎてやしない?


 意識不明?それとも、幽体離脱(ゆうたいりだつ)

 首を(かし)げる感覚はないけれど、あたしは首をひねった。


『君は死んだんだよ。――残念だけどね』

 突然、脳みそに直接響くような、無遠慮な声。


「びっくりした! ……っていうか、あたし死んだの? ――マジかぁ……っていうか、なんで会話が??」


『正確には、肉体は死んだけど魂は生きてるって状態かな。僕は今、君の精神意識に直接話しかけているんだ』


「魂? っていうか、あんた誰?神様ってやつ?」


『神様か……。 ちょっと違うけど、君たちの概念的にはそれに近いかもしれないねぇ』


 軽い。神様にしては口調が軽すぎない?


「まぁ、いいや。 さっさと生き返らせてよ! 意味わかんないんだけど」


 さっきまで、確かにあたしは生きていたはずなのだ。

 それなのに、今はよく分からない状態で、正体不明の声とやりとりをしている。


『――同じ世界に戻るのは無理だね』

 申し訳なさそうな、でも抑揚を感じない声。


「は?なんでよ、神様でしょ? できないとか簡単に言わないでくれる?」


 こっちは人生――というか、青春の真っ最中だったのだ。

 やり残したことだって、腐るほどある。


 キスだってまだだったのに――。


 それを「無理」の一言で強制終了なんて、そんな理不尽、神様相手だろうが納得できるわけがない。

 あたしは姿の見えない相手をにらみつけるように、全力のノーを叩きつけた。


『だって、君の体はもう使えないんだよ。 ――脳みそ飛び出ちゃってるし』

「え? グロっ!」


『片目も飛び出ちゃってる』

「きもっ! その情報、今のあたしに要る!?」


『まぁ、できないこともないけど、脳みそまで出ちゃってる人間が急に動き出したら、どう思うかな?』

「……ゾンビ、かな?」


『しかも、多分もうすぐ焼かれて骨になっちゃうし――』

「……」


「……スケルトンじゃん!」と言いかけたけど、あまりに悲しくなるのでやめた。


 戻る体がない。それが現実。

 あたしの女子高生ライフ、終了のお知らせ?


「ちょっと待って! ってことは、同じ世界じゃないなら可能ってこと?」


 脳みそが飛び出た絶望感から一転、あたしに希望の光が灯った。


『うん、可能だよ。 君は、死ぬ間際のことを覚えているかい?』


 死ぬ直前。

 そうだ。学校の屋上に、見たこともない変な動物がいたんだ。

 タヌキみたいな、猫みたいな?

 珍しいからスマホで撮ろうとして、追いかけて――。


(学校の屋上から落ちたんだ)


 いや、百歩譲って、死ぬのはわかる。

 っていうか、屋上から落ちたくらいで脳みそまで出る?


『詳しく知りたいかい?』

「いや、いいです……」


 神様もどきが余計なサービス精神を発揮しようとしたので、食い気味に拒否した。


『君が見つけたあの動物。 あれ、僕が地球にいる時の仮の姿なんだ。 いい天気だったから、屋上でうとうとしちゃってね。 そしたら君が大騒ぎして追いかけてくるもんだから』


「は?」

 あまりにマヌケな告白に、あたしの思考が停止した。


 ってことは、つまり?


「あんたが原因、ってことよね?」

『まあ、そういう見方もできるね』


 あたしの人生を終了させた原因が、まさかの昼寝?

 反省どころか、こいつの態度はどこまでも他人事だ。


「できるね、じゃねぇえええ!!」

 口がないのをいいことに、あたしは魂の限りに叫び、見えない手足でじたばたと暴れてみせた。


 こいつが、あたしの平穏な日常を、脳みそもろとも、破壊した張本人なのに、謝罪の一言もなく「テヘペロ」で済まされてたまるもんか。


『まあ、落ちたのは君がどん臭いからだけど、確かに僕にも()()()()()だけ非があるね。 だから、お詫びと言ってはなんだけど、君を異世界で(よみがえ)らせてあげようっていう話さ』


 何こいつ、めちゃくちゃ腹立つんだけど?

 殴りたい。

 今すぐ実体化して、助走つけてグーパンチで殴ってやりたい。


 でも、異世界転生、かぁ……。


「……それってさ、見た目とか変えられたりする? どうせなら、とびっきりの美人になりたいんだけど?」


『君は見た目を変えたいのかい?』


 そりゃそうよ。

 もう一度人生やるなら、美人に生まれ変わって最高の人生をエンジョイしたいじゃない?

 イケメンに囲まれてさ、そりゃもう、ぐへへな毎日よ。


 ……だめだ、妄想が止まらない。


『それは変身願望ってこと? ……って、きみ聞いてる?』


 王女様とか、貴族令嬢とか。素敵な王子様と恋に落ちたりして……。

 憧れのキラキラした異世界ライフってやつ?


『……聞いてないね。 じゃあ、君の深層心理にある()()()()()とやらを覗かせてもらおうかな』


「え? ちょ、勝手に見ないでよ! プライバシーの侵害!」


『ふむ……おや、これは。 なるほど。君、小さい頃はTVっ子だったんだね。()()()()()()()()()。これが君の原点か。 …....分かった!じゃあ、見た目を変えられる能力をあげよう』


「……は?」


『よし! これで君は今日から、()()()()だ!色々おまけもしておいたよ。 感謝してね!』


「え……? ちょっと待って! 魔法少女って何!? あたし、お姫様って言おうとしてたんですけど!? キラキラした貴族令嬢はどこ行ったのよ!?」


『……じゃあ、異世界生活(第二の人生)を楽しんでおいで!』


 だめだ、こいつ――

 人の話を、一ミリも聞いてない!!


 あたしの文句を嘲笑うかのように、真っ暗だったはずの世界が、突然狂ったみたいに虹色の光に輝き出す。


「ちょ、待ってってば! 意味が分からなすぎるって。 魔法少女!? バカじゃないの!? そんな転生あるかぁぁ!」


『それじゃあ、()()!』


 その呑気(のんき)な声を最後に、あたしの意識は深い眠りに落ちるように、ゆっくりと途切れていく。


「人の話を聞け、このクソ神様! 絶対……ぶん殴って……やる……っ!」


 あたしの最後の捨て台詞と共に、静寂があたしをいう存在を溶かしていった。




 ――ほんと、口の悪い子だな。

 魔法少女なんだから、もう少しお行儀良くしないと。

 そうだ、おまけであれもプレゼントしておこう。

 君の異世界生活が、より賑やかになるようにね。

1話の最後まで読んでいただきありがとうございます。


冒頭は静かな始まりですが、第4話の『変身』を境に、スズネの運命は激変し始めます。


『面白かった』『続きが読みたい』と思っていただけましたら、下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします!


面白かったら★5つ、つまらなかったら★1つ、正直な感想で結構です。


また、ブックマークもしていただけると嬉しいです。

皆様の応援が、作品執筆のエネルギーになります!


本作品は「カクヨム」でも同時連載しています。

更新は毎日を予定しています。(基本18:00予定)

できるだけ安定して続けていきますので、よろしくお願いします。


※本作の挿絵は、作者がAIイラスト生成ツールを用いて作成したオリジナルイラストです。

 既存作品・キャラクターを模したものではありません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ