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空振り
「────で、導師様。今回手に入れた物はどうなんですか?」
シンガポールから持ち帰ったハードディスク。その記録媒体の中には一体何が入っていたのか。神楽の答えは───
「結果から言えば遺産の流れの記録の、その一部が収められていました」
「流れねぇ」
流れ、それも一部。
「結論から言えば、あの資料はゴミに等しいものです」
まあ、言い切った。可憐な顔してえげつない。なんとも高級なゴミだ。
「金に意味なんてありません。世界が崩壊、世紀末になれば所詮は紙切れ、そして金属の塊にすぎません」
「そうですね」
そこは同意見だ。
「で、導師様よ。お次の任務は?」
「今は特にありませんが、強いて言うなら、翔太君の身辺警護をお願いします」
「凶龍の制御装置か」
否定しきれないのが悔しいが、言い方考えろや。
「つーかさ、アンタの味方は何処にいるんだ?」
その質問に空気が凍る。その圧は六神将にも引けを取らない。
「北センチネル島以外の全てに」
こえー。生々しいわ。
「俺達はアンタの犬だ。手を噛むつもりはないし、噛めない」
「翔太君の身辺警護。承りました。導師様」




