探り
〜シンガポール・某所〜
いきなりの休暇命令で四の五の言わずにシンガポールに来訪した俺達は、この国の暑さを体験した。
俺は1回経験してるけど、幽摩は初めてだったかな。
「暑いなぁ」
「だな」
まあ、それがここの常識なんだろう。で、色々回ったよ。代金は神楽持ちだから思う存分楽しめた。
表面上は。
シンガポールは多民族国家。様々な文化が入り交じる。人や物の往来も盛ん。”教団“とやらの情報を少しでも集めるための小手調べ。
「米が不味いね」
「まあ、日本人の基準で見たらそうだろうよ」
たしかベトナム産の長粒種だった記憶が。ラップで包んで一晩冷蔵庫に入れてカピカピになった感じだ。
どうもここの米は日本人からするとほとんどの人が不味いと感じるらしい。あと味噌汁がしょっぱい。
これは邪推だが、常夏のシンガポールの特性上塩分が重要なのかもしれない。
「なあ、これ意味あるのか?」
「言うな、それ言ったらおしまいだ」
「何一つ進展してねぇぞ」
そう、教団に関することは何一つ出てこない。
教団関連で明確になってるのは、謎の組織であること。そして神楽が何らかの理由で教団に対して何らかの行動をしてること。
そして、神楽が総大将のポジションであること。
現に信常が神楽の本性、悪事を六神将にぶちまけたみたいだが、反感はほぼなかった。あー、鏡佑とオーロラあたりが抗議してたかな。
これ、空振りで終わるんじゃないの?でも、神楽に焦りの色はないしねぇ。
「でも、俺たちがどうこうできるもんじゃないしな」
「だよな〜」
「明日にはもう帰国するんだよ?7時間飛行機の中で待機するんだよ」
あれめちゃくちゃ身体が凝る。行きはゲームやら映画の娯楽の類があるけど、帰りは出発時間の都合上かなりきつい。
そういえば、高級料亭で食事をしてたら婆様に話しかけられたな。そこは俺がどうにかしたが。
お礼にお菓子を渡されたけど、まだ中身を開けてなかったな。
「というわけで!開けてみよー!」
「うん。いいんじゃない?」
「さて!中身………え?」
お菓子に混ざってとんでもないやつが出てきたぞ。
「ハードディスク?」
「外付けだな」
「いやわかるよ」
「持ち帰って神楽のところに丸投げするしかないだろ。俺達に手が出せるか?」
「だな」
「緩衝材調達しようぜ」
「そうするか」
成果はあった。とりあえずこれでよかったのかな?




