イケてる奴ら!
(イケてるグループの奴らとは話が合わないなぁ)
高校卒業間近のある日の夕暮れ。
いつもの土手の上。
同級生たちが夢について語り合っている。
クラスの『イケてないグループ』にカテゴライズされている一人はどうにも居心地が悪い。
「一人は夢がないな!サラリーマンが夢かよ!」
「じゃあ。ゆうちゃんの夢は?」
「弁護士さ!ブー太は!?」
「パイロットだぶぅ!とっこは?」
「私は世界的大女優よぉ!」
『『絶対に夢を叶えような!』』
(……現実を見ろよ)
「一人は俺達がビッグになるのを指を咥えて見てな」
数カ月後。ある大学の食堂。
大学生になった一人は参考書を読みながら唐揚げと生姜焼きをオカズに牛丼を食べていた。
(……ご飯もゆっくり食べられないな)
「……おっと」
親指についた生姜焼きのソースを舐めた。
(しかしイケてる(美味しい)な)
雛畜産高校卒業生進路。
山田一人……畜産大学へ。
ぎゅうた……牛丼
ブー太……生姜焼き
とっこ……唐揚げ