死ヲ望ム者
私はもう疲れた。
心の中が悲しい感情で埋め尽くされている。
私はみんなに優しくしてたのに異性に愛されず。
あいつは人の悪口ばっかり言っているのに愛されている。
私には辛い時に電話出来る人は居ないのに。
あいつには電話出来る人が居る。
あいつの辛いことは自業自得でしかないことばかりだ。
例えば人の悪口を散々言ってたくせにその人にほんのり言われただけで号泣し、すぐ男に泣きつく。
もうこの不平等さにはうんざりだ。
自殺する事も考えたけれどそれなら試したいことがある。
それは悪魔を召喚することだ。
召喚の儀式はたくさんある。
もちろん、ほぼガセだと思っている。
下手をすると死ぬだけ。
私はもうどうでもいいから、単に知的好奇心を満たしたい。
悪魔の姿を見てみたい。
私は順番に色々試した。毎日毎日。
準備には日数がかかるものもあるし時には遠出も必要だ。
たまに心霊現象が起きたりもする。
数日後、1番日数のかかる儀式の真っ最中、何か手応えがあった。
目を開けると魔法陣の上に凄くかっこいい男が現れた。
背が高く、白くて長い髪。青い目。西洋っぽい顔立ち。
服は中世ヨーロッパにありそうな感じで、黒で固められている。
一目惚れしてしまいそうなくらいの美しさにうっとりとしてしまった。
男はこう言った。
「呼び出してくれてありがとう」
「一つだけ望みを叶えてあげる」
私の答えは決まってる。
「私を殺して」
男は「困った子だな」と言って笑った。