楕円のエッチング
かえらぬ人々の
かつてかえっていった道を
あるく
うらぶれた街のシャッターには
等高線のかげがかかる
どこよりもとおい落日にてらされて
石室めいて閉ざされた家々の
木立のなかからかすかにあらわれる
おかえりなさいの声があった
かげってしまった銀色の
水盤を撫ぜる指に
エッチングされた風景がある
わたしはあなたを
シンクにながされた水ほどの
まぼろしとしてたしかめる
風がゆるやかに楕円をえがき
いまや街のすべてが
しらんでいくだけだ
かえらぬ人々の
かつてかえっていった道を
あるく
うらぶれた街のシャッターには
等高線のかげがかかる
どこよりもとおい落日にてらされて
石室めいて閉ざされた家々の
木立のなかからかすかにあらわれる
おかえりなさいの声があった
かげってしまった銀色の
水盤を撫ぜる指に
エッチングされた風景がある
わたしはあなたを
シンクにながされた水ほどの
まぼろしとしてたしかめる
風がゆるやかに楕円をえがき
いまや街のすべてが
しらんでいくだけだ
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