008(任命)
俺はスコットと意気投合してグイグイとバロン酒というラークバロン公国の特産品ウイスキーを飲む。
前世ではウイスキーといえばアルコール40度前後だったが、50度のウイスキーもイケる。健康第一? 急激なヒーリング能力? のお陰で痛風に悩まない肉体は嬉しい。それに口が渇かない、血糖値も正常かな。
『良い飲みっぷりだな〜、辛党か? そのステーキを食べてみろ』
『酒は大好物だ。これは何の肉?』
『…………ドラゴンだよ』
『何!? ドラゴンなんて食えるのか?』
『ハハハ、冗談だよ。ラークバイソンの肉だから安心しろ』
『スコット、質が悪いぞ〜』
俺達は盛り上がっていると、ダンさんが来た。
『ソウ様、ちょっとよろしいですか?』
『ダンさんも飲むか?』
『わたくしめは下戸でございます。メンソ国王がお呼びです。壇上に御上がり下さい』
『分かった、行くよ』
俺はダンさんに連れられて宴の間の壇上に上がる。そこにはメンソ国王、フレーバ王妃、ゼニア姫、王子様っぽい人、老人が居た。
『ソウ、呼び出したのは他でもない、ラークバロン公国は今、戦争中だ。ゼニアを惑星大統領になってもらいたいが、命を狙う者共が暗殺に来る。魔王となったテオブロを倒した腕を見込んで近衛兵に任命したい』
『王様、俺を信用してるのか?』
『聞くまでもない。お前の眼は嘘を吐けぬ』
『妹の為にも頼む! 騎士団幹部の5倍の給料を払う』
王子様っぽい人はゼニア姫の兄か。つまり、王子様だ。そのまんま南だな、アハハ。
『了解した、任せてくれ』
この世界では職を持たないとな。近衛兵なら給料は高いみたいだし。丁度いい。
『おお! ありがとう、ソウ』
『良いって事よ』
『仕事内容は主に私が魔法車で移動する時のドライバーよ。任せたわ』
『楽勝だ、ゼニア姫。……ところで、その老人は?』
『シガー前国王ですよ。重病なの』
『メンソ国王は即位してどれくらい経つ?』
『半年程だ。それがどうした?』
『いや、ただ聞いただけ。それより、前国王の病状は?』
『足のくるぶしが腫れ上がり、風が吹いただけで激痛が走ると』
シガー前国王は痛風だな?
『毎日、低脂肪牛乳とヨーグルトを摂取するんだ。それとリンゴ黒酢も効くと思うよ』
『そんな物で治るのか?』
『これはあくまで予防だが、毎日、続ける事で快方に向かうと思うよ』
『異国の医学は発達してるのだな』
『ああ、まあね』