006(くじ運1億倍?)
俺は割り当てられた部屋に入り、窓から外を見る。星空がクッキリ見えるな、キレイだ。
照明はLEDかな? と考えた瞬間、天井の電気が点く。
用意されてる服は浴衣の様なラフな物だ。パンツはないのかな? 不浄負けをして打ち首獄門になっても嫌だな〜、アハハ。
鏡を見ると、何か違和感……神様は顔がそっくりだと言っていたが微妙に違う、白い肌……白人だ。瞳の色がブラウンだし。茶髪なのが気になるが、まあ、格好いいな。
「ソウ様、ご準備は整いましたかな?」
頭の中にダイレクトに声が聞こえる。これが、テレパシーか。なんか気持ち悪い。
『すぐに行くよ!』
俺は大声で返事をして、急いで着替える。アーマーは軽いし、胴だけだ。コツを掴めば簡単にはずせた。
浴衣みたいなのはシックリ来る。デニム生地かな?
俺は部屋から出るとシモベの老人が待っていた。
『宴の間はこちらです』
俺は老人に案内される。色々聞いてみよう。
『じいさん、名前は?』
『ダンでございます。ソウ様は強運をお持ちのようで』
強運か……ごちゃごちゃ言わんとワンパックのくじ運1億倍が効いてるのかな? コスプレーヤーを脅かすつもりで雪ドリして結果的に魔王を倒したんだから。
『ダンさんは魔法は使える?』
『わたくしめは主にテレパシーだけでございます』
『魔法車の運転が出来ると上級魔法も使えるの?』
『ソウ様は頭でも打ちましたかな。異国出身とはいえ、魔法訓練所は卒業しているでしょう? 長距離、魔法車の運転をするのは上級魔法と同等ですよ』
『いや〜、魔王を跳ねた時に頭を打ったかな、アハハ』
俺は大きな扉の前に立たされる。ここが宴の間かな? 扉が少し開いていて、どんちゃん騒ぎの声が聞こえる。
ダンさんが扉を開ける。
『さあ、どうぞ』
『どこに座ればいいの?』
『上座でも下座でも。ソウ様は宴の主役なのですから』
俺は宴の間を除き込んでると、背中を押されて中に入る。
4列の長いテーブルがあり、ガタイの良い男達が酒盛りをしていた。美味そうな匂いがする。テーブルには料理や酒が並んでいる。
俺は一番近い端の椅子に座ると銀色長髪の男と視線が合った。その男は近付いてくる。
『貴様か!? オイシイところを全部かっさらっていったのは!』
『あんちゃん、誰?』
『私こそラークバロン公国一の魔法剣士、ジャック・ストライフ様だ! ゼニア姫は私の許嫁でもある!』
厄介なのが来たな、アハハ。